図1Moveで操作しながら講演するSCEの豊氏
図1Moveで操作しながら講演するSCEの豊氏
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図2 スクリーン中央に,約32億画素の写真を表示させている。
図2 スクリーン中央に,約32億画素の写真を表示させている。
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図3 約32億画素の写真を拡大。写真の中央付近に人影が見え始める。
図3 約32億画素の写真を拡大。写真の中央付近に人影が見え始める。
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図4 人影が女性だとわかる。
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図5 写真を拡大すると,空には鳥が飛んでいるのがわかる。
図5 写真を拡大すると,空には鳥が飛んでいるのがわかる。
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,画像を高速に拡大・縮小できる画像処理技術「PlayView(プレイビュー)」について,「CEDEC 2010」(会期は2010年8月31~9月2日)で講演した。これまで同社が「高画質画像拡大技術」として開発を進めてきたもので,既に同技術を利用したコンテンツを一部,PS3ユーザーに提供している。

登壇したSCE SVP 兼 ソフトウェアソリューション開発部 部長で,戦略企画部 担当部長の豊 禎治氏によれば,PlayViewはそもそも「10億画素を超える画像をさくさく見たい」(同氏)との思いから開発に着手したという。

 講演では,PlayViewを搭載したプレイステーション3を使い,ジェスチャー・コントローラ「Play Station Move モーションコントローラ」で操作しながら,その動作デモを披露した(図1)。例えば,公園の様子を撮影した,縦3万4800画素,横9万2300画素の計32億画素ほどの静止画を利用し,その画像を拡大・縮小させた。一見するとその公園には,巨大なオブジェしかないように見える(図2)。ところがその画像を拡大していくと,徐々に人影が現れる(図3)。さらに拡大し続けると,その人影が女性だと判明する(図4)。このほか,拡大しつづけることで,空に鳥が飛んでいる様子もわかるようになる(図5)。こうした一連の動作を,リアルタイムで実行した。その様を見た聴講者の中には,感嘆の声をあげている人もいた。

 静止画だけでなく,動画や音楽,Webへのリンクにも対応する。SCEは,ゲームソフトの取り扱い説明書や攻略本といったゲーム関連書籍コンテンツにPlayViewを利用する予定で,「PlayView for games」として2010年秋より本格的なサービス提供を開始する。

 例えば攻略本に動画を埋め込めば,この動画を使って攻略法を説明できる。SCEは説明書や攻略本だけでなく,ゲーム中でもPlayViewを利用する考え。例えば,膨大な数のゲーム・ステージを一画面に表示し,ユーザーが画面を拡大・縮小することでそのステージを選択する,といった使い方ができる。

 なお,PlayView for games用のコンテンツ制作用に,オーサリング・ツールを提供する。