【LTE会議】「ICT海外戦略としてのLTEに期待」,総務省の谷脇氏が語る
総務省 情報通信国際戦略局 情報通信政策課長の谷脇康彦氏は,日経BP社が2010年9月3日に都内で開催したセミナー「東京国際LTE会議 2010」に登壇し,ICT国際戦略の観点からLTEをはじめとするモバイル・ブロードバンドへの期待について語った。
谷脇氏は講演の中で,ICT戦略の観点から,モバイル・ブロードバンドの現状の注目点について三つのトピックを挙げて説明した。まず1点目は,モバイル・ビジネスにオープン型の事業構造が広く入り込んできていること,とした。「MVNOやSIMロックの解除といった取り組みによって,モバイル・ビジネスのレイヤー間のオープン化が始まっている」(谷脇氏)。こうした事業構造のオープン化の代表例として,米Apple Inc.や米Google Inc.などの取り組みを紹介しながら,「新たな垂直統合モデルとも呼べるものが,モバイルの世界で存在している」(谷脇氏)とした。これにより様々な企業が市場参入し,それがまた新しい事業モデル構築にもつながって,「柔軟なエコシステム」が生じつつあるとの見方を示した。
2点目のトピックとして挙げたのが,トラフィックの急増である。動画データなど,コンテンツの大容量化や,モバイル・クラウドなどのサービスが勃興することで,通信トラフィックが今後急増する点に注目しているという。「例えばLTE世代(3.9世代)のサービス導入などにより,モバイルのトラフィックは10年で200倍のペースで拡大しそう」(谷脇氏)。このため,今後こうした「モバイル混雑」への対応を検討していく必要があると指摘した。
3点目のトピックとして,モバイル・ビジネスの国際展開を挙げた。総務省は現在,「ICT維新ビジョン2.0」の下,日本の先進的なICTを30億人規模の海外市場に展開していくとしており,地上デジタル放送の伝送システムなどの海外展開を積極的に推進している。谷脇氏は,こうした取り組みの中で,LTEのシステムなども含めて,日本の強みとして海外展開していく方向性に注目しているとした。「地デジだけでなく,今後はLTEやエリア・ワンセグなどを含め,ICTの海外展開を図っていくべきだ」(谷脇氏)。これらの取り組みによって,日本の国際競争力を高める方向につなげることの重要性を強調した。その際には産学官の連携が重要であるとし,企業のグローバル展開への支援も必要であるとの認識を示した。













