東芝は,専用メガネが不要で,裸眼で3次元(3D)映像を視聴できる液晶テレビを2010年10月に発表する。ドイツのベルリンで9月3日(現地時間)から開催される民生機器関連の展示会「IFA2010」に先立ち,同2日に開いた記者会見で明らかにした。

 仕様の詳細は明言しなかったが,画面サイズは小型の機種になるという。記者会見後に日本の報道関係者からの質疑に答えた同社執行役上席常務 ビジュアルプロダクツ社 社長の大角正明氏は,「3D映像の技術を追求していきたい。画面サイズが大型のテレビで裸眼式の3D対応製品を投入するのは,液晶パネルや周辺技術などの観点でまだ難しい」と述べた。製品発表の場は,10月5日から開催される民生機器関連の展示会「CEATEC」になる見込みだ。

 子会社の東芝モバイルディスプレイの液晶パネルを採用する。同社は,独自の「インテグラル・イメージング方式」と呼ぶ裸眼式の3D技術の開発を進めている。同方式は,液晶パネル前面に配置するレンチキュラ・レンズを用いる技術で,左右の目の視差に加えて,運動視差を利用する。2010年4月にはこの方式を用いた21型液晶ディスプレイを開発しており,この画面サイズかそれよりも小さい画面サイズのテレビになると見られる。