消費電力を低減,筐体をスリム化しやすく
消費電力を低減,筐体をスリム化しやすく
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 東芝は,テレビ向けの新しい画像処理LSIの開発を進めている。ソニー・グループや米IBM社と共同開発したマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」(以下,Cell)を搭載した液晶テレビ「CELL REGZA」で培った技術を用いる。2011年の早い時期に欧州向けの液晶テレビの最上位機種に搭載する。ドイツのベルリンで9月3日から開催される民生機器関連の展示会「IFA2010」に先立ち,同2日に開いた記者会見で明らかにした。

 新しい画像処理LSIとその上で動作するソフトウエアの名称は「CEVO Engine」。通常の映像を3次元(3D)映像に変換する2D-3D変換や,映像を512領域に分割するLEDバックライトの発光制御など,CELL REGZAでソフトウエア処理していた画像処理機能の多くを専用回路で実現し,Cellよりも消費電力を低減する。

 これにより,画像処理回路を格納するチューナー部をテレビの表示部に一体化しやすくなるほか,コスト削減につながる。CELL REGZAではチューナー部を表示部と分離し,外付けしていた。

 新LSIは欧州での製品投入後に,日本や米国など他の地域でも液晶テレビに採用していく計画だ。