液晶テレビ向けのUI
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PS3では立体感あるUI表示に
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 ソニーは,インターネットを使って液晶テレビやBlu-ray Disc(BD)プレーヤーなどに音楽コンテンツを配信する新サービスを2010年中にも始める。ドイツのベルリンで9月3日に始まる民生機器の展示会「IFA2010」に先立ち,同1日に開催した記者会見で明らかにした。

 新サービスの名称は「Music Unlimited powered by Qriocity」。Qriocityは,ソニーが2009年11月に発表したオンラインサービス「Sony Online Service」の正式名称である。2010年4月に米国で開始した動画配信サービスでは画面上に名称が表示されていたが,公式に明らかにしたのは初めてという。今後,Sony Online Service関連のサービスには,「powered by Qriocity」が冠される。

 新サービスは,ソニーの液晶テレビやBDプレーヤー,家庭用ゲーム機「PlayStation 3(PS3)」,パソコン「VAIO」などが対象だ。主にストリーミング配信でのサービス提供を想定しており,音楽のジャンルやアルバムなどの単位で楽曲を選び,有線放送のように音楽を聞くことができる。楽曲を1曲ずつ選べるようにしたり,ダウンロード可能にしたりといったビジネスモデルの詳細は,コンテンツ利用料も含めてサービス開始までに検討を進める。

 ただ,携帯型音楽プレーヤーや携帯型ゲーム機などに向けたサービス提供も計画しており,持ち運び可能な機器での利用を想定したダウンロード・サービスを始める可能性もありそうだ。

 IFAのソニーブースでは,液晶テレビやBDプレーヤー,PS3,VAIOでストリーミング配信サービスを利用するデモを見せる。処理能力の高いPS3では,アルバムのジャケット写真が立体的に配置されるなど,それぞれの機器の処理能力に合わせて異なるユーザー・インタフェース(UI)を用意する。パソコン向けの配信では,Webブラウザでサービスを使えるようにしており,他社のパソコンでも利用可能になるもようだ。

 このほか,既に米国で提供中の映像配信サービスを2010年秋にフランス,ドイツ,イタリア,スペイン,英国の欧州5カ国で開始することも明らかにした。サービスの名称は「Video On Demand powered by Qriocity」。20th Century Fox Home Entertainment社やMetro-Goldwyn-Mayer Studios社,Sony Pictures Home Entertainment社,The Walt Disney社といったハリウッドの大手映画会社の映画などを視聴できる。