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 富士通と北海道白老町役場は,富士通製のシニア層向け携帯電話機「らくらくホン」を用いた高齢者向け生活支援サービスのシステムを共同で構築し,2010年8月23日に運用を開始すると発表した(富士通の発表資料)。

 開発した生活支援サービスでは,主に一人暮らしの高齢者を対象に,らくらくホンを60台配布する。端末の表示画面下に配置された「よやく(予約)」「そうだん(相談)」「きんきゅう(緊急)」の3つのボタンを押すだけで,地域の支援ボランティアへの相談や,位置情報を付与した「119番(消防)」への緊急通報などが可能になるという。

 加えて,端末に内蔵するセンサを用いて測定した歩数情報を,1日に1回コンタクト・センターに自動連絡する機能も備える。これにより,特定の場所から移動しないなどの異常が発生した場合,GPSなどから位置情報を把握し,安否確認を取るサービスを提供する。

 白老町の高齢化率は,2010年7月末の時点で33%。これは,2025年における全国平均推計値である30.5%よりも高い。さらに一人暮らしの高齢者の人数は増加傾向にある。一人暮らしをする65歳以上の在宅高齢者は,約1750世帯に達している。白老町役場では,今回のサービス開始で,高齢者にとって携帯電話機が身近な存在となり,安全・安心に暮らすことができる地域作りの一助になると期待しているという。今後は,サービスの対象範囲を高齢者以外にも拡大し,地域住民の利便性向上や地域活性化などにも役立てる手法を検討していく予定とする。