米国のモバイルWiMAX事業者であるClearwire Corp.は,2010年8月4日(米国時間),LTE(long term evolution)の実証実験をアリゾナ州のフェニックスで2011年初めにも開始すると発表した。Clearwire社は「今後もモバイルWiMAXをサービスの主軸とするが,LTE対応の機器が来年以降,大量に登場することが見込めることから,モバイルWiMAXとLTEの共存したネットワークの可能性を今回の実験で見極たい」としている。

 実験では,上りと下りで別々の周波数を使うFDD(frequency division multiplexing)と,上りと下りで同じ周波数を使うTDD(time division multiplexing)の両方式を試す。FDDの場合は,上りと下りのそれぞれに20MHz(合計で40MHz),TDDの場合は20MHzを割り当てる。周波数としては現在,Clearwire社に割り当てられている2.5G~2.6GHz帯を利用する。

 実験は中国のHuawei Technologies Co., Ltd.と協力して実施する。Clearwire社が採用している韓国Samsung Electronics Co., Ltd.のモバイルWiMAX基地局で,LTEが動作できるかどうかも検証する予定である。モバイルWiMAXとLTE両用の端末用チップセットを開発する米Beceem Communications Inc.も実験に参加する。このほかにも,大手の無線通信事業者を含む企業が多数実験に参加する予定で,今後,順次名前を公表していくという。