インターネット関連企業で国内最大手のヤフーは2010年7月27日,運営するポータル・サイトのインターネット検索サービスに米Google Inc.の検索エンジンを採用すると発表した。検索エンジンの採用と同時に,利用者の検索内容に応じて広告を表示する検索連動型広告でもGoogle社の配信システムを導入する。ヤフーは国内のインターネット検索で過半数のシェアを占める。両社の提携によって,Google社の検索エンジンの国内シェアは9割を超える規模に達するとみられる。

 ヤフーは,これまで米Yahoo! Inc.が開発した検索エンジン「YST(Yahoo! Search Technology)」を使ってきた。これをGoogle社の検索エンジンに切り替える。切り替え時期は未定で「今後協議して決める」(ヤフー)。

 契約期間は2年間。「Webサイト」「画像」「動画」「モバイル」の4領域のインターネット検索と検索連動型広告が対象だ。ヤフーが断らなければ,契約は自動更新される。米国のYahoo!社は2009年7月に米Microsoft Corp.と提携しており,Microsoft社の検索エンジン「bing」をYSTの代わりに採用することを決めている。このためヤフーは検索エンジンの選択で対応を迫られ,他の検索エンジンと比較した上で,Yahoo!社が採用したbingとは異なる検索エンジンを選んだ。

 ヤフーは,Google社の検索エンジンを基本に独自技術を加えて検索サービスを提供する。Google社の検索エンジン採用後は,検索連動型広告のシステム自体はGoogle社のものを使うが,広告掲載の可否や順序などを決めるシステムは独自の運営を維持するという。ヤフーがYSTを採用したのは2004年5月。それまでの約3年間はGoogle社の検索サービスを使っていた前例がある。