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【EV開発技術展】日立電線、サージ時の部分放電への耐力を高めたエナメル線を開発---EV用モータの巻き線向け

2010/07/26 16:38
近岡 裕=日経ものづくり
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図◎部分放電への耐力を高めたエナメル線。左が断面の直径が1mm弱のタイプで、右が長方形のタイプ。
図◎部分放電への耐力を高めたエナメル線。左が断面の直径が1mm弱のタイプで、右が長方形のタイプ。
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 日立電線は、絶縁被膜の耐力(絶縁耐力)を高めたエナメル線を開発、「電気自動車開発技術展 EVEX2010」(2010年7月14〜16日)に出展した(図)。電気自動車(EV)やハイブリッド車に搭載するモータの巻き線に使う。瞬間的な高電圧(サージ電圧)がかかった際に生じる恐れがある絶縁被膜の侵食を小さく抑える。

 インバータで制御するモータや、出力を増大するために高電圧化したモータの巻き線に使う。これらのモータの巻き線には、突発的に高電圧がかかると隣り合う巻き線の空間にアーク放電(部分放電)が発生し、絶縁被膜を侵食する可能性がある。

 新しいエナメル線は、導体(銅線)を2層のポリアミドイミド(PAI)製の絶縁被膜で覆った構造。導体と接する1層めの絶縁被膜に、粒径がnmオーダーと小さなシリカを微量に分散させた。これにより、部分放電に対する絶縁耐力を強化した。現行のエナメル線は、1層のPAI製絶縁被膜だけでシリカは含まれず、部分放電に対して絶縁被膜が侵食されやすいという。

 例えば、周波数50Hz、周囲温度90℃の条件で、エナメル線が絶縁に至るまでの試験(絶縁寿命試験)を行ったところ、現行のエナメル線が1時間以内で寿命に達したのに対し、新しいエナメル線は1000時間を超えた。ただし、絶縁被膜の侵食を完全に防ぐものではなく、予期せぬ部分放電への安全対策としての採用を狙う。

 製造上のポイントは、細かなシリカを均等に分散させることにあるという。製法は、PAIとシリカを溶剤に溶かし、液体になったそれらの混合体を導体に薄く塗る。これを加熱して架橋反応させつつ、溶剤を飛ばして固体の絶縁被膜にする。シリカの粒径が大きかったり、偏在したりしていると、亀裂が発生して絶縁被膜が割れることがあるという。

 細いタイプで直径は1mm弱で、絶縁被膜の厚さは数十μm。ほかに断面が長方形のタイプもある。価格は現行のエナメル線よりも高い。

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