2010年9月に発売するレンズ交換式ビデオ・カメラ「NEX-VG10」
2010年9月に発売するレンズ交換式ビデオ・カメラ「NEX-VG10」
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手に持ったイメージ
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3型の液晶ディスプレイ(92万画素)を備える
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 米Sony Electronics Inc.は,レンズ交換式ビデオ・カメラ「NEX-VG10」を発表した。2010年9月に発売する。価格は,光学手ブレ補正機能付きのズーム・レンズ「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS」(35mmフィルム換算で27mm~300mm)が付属して約2000米ドルである。直販サイトでは,同年7月14日(現地時間)に予約受付を開始した。日本での発売は未定である。

 ソニーは2010年5月にミラーレス・カメラ「NEX-5/3」を発表した際に,レンズ交換式ビデオ・カメラを開発中であることを明かしていた(Tech-On!の関連記事)。NEX-VG10の大きな特徴は,主要部品をNEX-5/3と共通化している点。コスト競争力を高めるとともに,従来の民生向けビデオ・カメラとは一線を画す映像表現を実現する。

ぼけ味の美しい動画に


 交換レンズ接続規格は,NEX-5/3が用いている「Eマウント」を採用した。これにより,従来の交換レンズの資産を活用し,表現したい映像に合わせたレンズ選択が可能になる。今のところ,Eマウント対応品は単焦点レンズ「E16mm F2.8」(35mmフィルム換算で24mm)とズーム・レンズ「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」(35mmフィルム換算で27mm~82.5mm)の2本しかないが,今後は拡充していく方針だ。別売りのマウント・アダプタを装着すれば,同社の一眼レフ・カメラ「α」シリーズ向けの豊富なレンズ群も活用できる。ただし,マウント・アダプタを装着するとオートフォーカス(AF)は動作しなくなる。

 撮像素子も,NEX-5/3と同じAPS-Cサイズ品を搭載する。従来の民生向けビデオ・カメラに比べて,「19.5倍」(米Sony社)の大きさに相当するという。撮像素子の面積が大きくなれば,浅い被写界深度を生かしてボケ味を出せる。これにより,映画向けのカメラで撮影したような,独特の奥行き感のある映像の撮影が可能になった。

 録音用に4個のマイクを内蔵した。信号処理によって,指向性が高く,雑音の少ないステレオ録音を実現したという。

 1920×1080画素のいわゆるフルHDの動画を撮影できる。記録形式はAVCHD。ビットレートは最高で24Mビット/秒である。約1400万画素(4592×3056画素)の静止画も撮影可能だ。記録媒体はメモリースティックデュオのほか,SD/SDHC/SDXCメモリーカードに対応する。重さは,本体のみで620g,レンズや2次電池,記録媒体などを装着した撮影時は1.3kgである。