図1 3D対応の「DSC-WX5」(右)と「DSC-TX9」(左)
図1 3D対応の「DSC-WX5」(右)と「DSC-TX9」(左)
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図2 「プレミアムおまかせオート」
図2 「プレミアムおまかせオート」
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図3 「DSC-WX5」
図3 「DSC-WX5」
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図4 「DSC-TX9」
図4 「DSC-TX9」
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 ソニーは2010年7月8日,デジタル・カメラ「サイバーショット」シリーズの新機種として「DSC-WX5」と「DSC-TX9」を発表した(図1,発表資料)。単眼レンズでありながら,3次元(3D)の静止画を撮影できるのが大きな特徴だ。発売日は2010年8月7日。価格はオープンで,想定実売価格はDSC-WX5が3万5000円前後,DSC-TX9が4万5000円前後である。

 シャッター・ボタンを押して一振りするだけで,簡単に3D静止画を撮影できる「3Dスイングパノラマ」モードを搭載する。連写した画像を自動的につなぎ合わせてパノラマ写真を合成する「スイングパノラマ」機能を応用した。具体的には,高速連写撮影した画像から右目用と左目用として短冊状に2枚抽出する。そして,画像をそれぞれつなぎ合わせ,右目用と左目用の2枚の画像を自動で生成する。撮影した3D画像は,HDMIケーブル経由で,3D対応テレビで鑑賞できる。なお,3Dスイングパノラマは2010年5月に発表されたミラーレス・カメラ「NEX」で初めて搭載された( Tech-On! 関連記事1)。

 さらに,今回発表した機種には,新たにもう一つ3D撮影モードを備えた。カメラ本体の液晶画面上で,3D風の画像を楽しめる「スイングマルチアングル」である。こちらも,スイングパノラマ機能の応用で,一度の撮影で15の視点の画像を生成する。スイングマルチアングルで撮影した画像を表示しているときにカメラを傾けると,中心となる被写体が浮かび上がるように,傾き度合いに連動して表示する画像が入れ替わる。

 このほか,オート撮影機能を強化させた。ソニーによると,「コンパクト型デジタル・カメラのユーザーの約3割がフルオート以外使っていない」(ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の下野裕氏)という。そこで,これまで個別の撮影モードとして用意されていた「手持ち夜景モード」「逆光補正HDR」「人物ぶれ軽減モード」を統合して「プレミアムおまかせモード」とした(図2)。撮影の難しいシーンを自動で判別してくれるため,モードを切り替えなくても失敗が減らせるという。

 2010年1月に発表された「DSC-HX5V」「DSC-TX7」で初めて対応した,1920×1080画素のいわゆるフルHD動画の撮影と近接無線通信規格「TransferJet」については機能を踏襲した( Tech-On! 関連記事2)。

 撮像素子は,裏面照射型CMOSセンサ「Exmor R」を搭載する。1/2.3型で総画素数は約1280万画素で,新規に開発した。これまでのサイバーショットでは,1/2.4型で総画素数約1060万画素品が採用されていた( Tech-On! 関連記事3)。

 記録媒体はメモリースティックデュオのほか,SD/SDHC/SDXCメモリ・カードに対応する。DSC-WX5は,光学5倍ズームの「Gレンズ」を搭載する(図3)。35mm換算の焦点距離は24~120mmで,F値はF2.4~5.9である。外形寸法が91.7mm×51.9mm×21.5mm,質量が約146g。DSC-TX9は,光学4倍ズームのカール・ツァイス製「バリオ・テッサー」を搭載する(図4)。35mm換算の焦点距離は25~100mmで,F値はF3.5~4.6。突起部を除いた外形寸法が97.8mm×59.5mm×17.5mm,質量が約149gである。