スマートフォンで個人の嗜好に基づいたテレビ番組の推薦を受け,スマートフォンの操作だけでユーザーの目の前にあるテレビのチャネルが変えられる――。そんなシステムをKDDIとKDDI研究所が試作し,2010年6月24日から26日まで東京都内で開催中の「ケーブルテレビショー2010」で展示した。
今回試作したシステムは,KDDIのAndroidスマートフォン「IS-01」と,パナソニックのHDD内蔵セットトップ・ボックス「TZ-HDW600」,および無線LAN/赤外線通信コンバータからなる(写真1)。IS-01では,このシステム専用のアプリケーション・ソフトウエアを動作しており,このアプリケーションに対して推薦コンテンツがサーバーから配信される。
推薦情報は,ユーザーの属性や,Webやテレビの視聴履歴,位置情報,時間などを解析した上で決定され,配信される。今回の試作システムでは,テレビ番組以外にも,レストラン情報,天気,交通情報などの情報を用意した(写真2)。
推薦されたあるテレビ番組の詳細情報を開くと,番組内容とともに,「観る」というボタンが表示される(写真3)。このボタンにタッチすると,無線LAN/赤外線コンバータに無線LAN経由で信号が送られ,さらにコンバータから赤外線でテレビに信号が送られ,推薦を受けたテレビ番組のチャネルに変わる(写真4)。実はIS-01には赤外線モジュールが搭載されているが,発光部が前面(ユーザー側)に付いているためにうまく使えず,こうした仕組みにしたという。
また,TZ-HDW600はオプション部品をUSBポートにつなげることで無線LANの子機になる。「無線LAN経由でチャネルを変更できるようにパナソニックと協議している」(説明員)という。
商用化時期は未定。説明員は「技術の面ではいつでもサービスが開始可能だが,ビジネス・モデルの検討が必要」とした。