日立ハイテクノロジーズ 商事戦略本部 専門部長の坂本和道氏
日立ハイテクノロジーズ 商事戦略本部 専門部長の坂本和道氏
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試作されたタッチ・パネルを使って,指で入力してみた
試作されたタッチ・パネルを使って,指で入力してみた
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 「iPhone」をはじめとするスマートフォンは,タッチ・パネルの市場を大きく切り開くとともに,機器の操作において“新しい感覚”を一般消費者にもたらした――。日立ハイテクノロジーズでタッチ・パネル用コントローラIC事業に従事している坂本和道氏(同社 商事戦略本部 専門部長)は,こう語る。

 「携帯電話機がスマートフォンに進化することで,機器の操作方法が“押す”から“触れる”に一変した意味は大きい」と,坂本氏は指摘する。従来の携帯電話機では,キーパッドのボタンを指で“押す”ことによって操作していた。ところが,全面がタッチ・パネル付き液晶となったスマートフォンでは,タッチ・パネルを指で“触れる”ことによって操作する。

 「これまでの“押す”といった物理的作業感覚から,“触れる”といった人間の指が持つ創造性感覚の領域に入りつつある。タッチ・パネル機構は,ユーザーの感性をより研ぎ澄まされた創造性に満ちた領域へと広げつつある」と,坂本氏は言う。

 日立ハイテクノロジーズは,10点タッチに対応した台湾FocalTech Systems Co., Ltd.製のタッチ・パネル用コントローラICを全世界で販売している。相互容量方式という比較的新しい検出手法を採用し,検出精度や反応速度の改善を図っている。2010年6月中に,このICのサンプル出荷を開始する予定だ(Tech-On!関連記事)。

 2010年6月30日に開催する日経エレクトロニクス・セミナー「新世代タッチ・パネル」では,静電容量方式によるマルチタッチ技術の今後の進展について,日立ハイテクの坂本氏が解説する(セミナーの詳細はこちら)。「滑らかなパネルの画面上を10本の指が自由に踊ることで,これからどれだけ新たなアプリケーションや製品が創造されていくのか…」(同氏)。そのような世界の実現に道を開くコントローラICの技術を紹介する。