総務省の発表によると,6月11日にフィリピン共和国の電気通信委員会(NTC)が,同国における地上デジタル・テレビ放送方式の規格として日本方式(ISDB-T方式)を採用する規則に署名した(ニュース・リリース)。フィリピンは,日本以外のアジアで最初に日本方式を採用する国になる。海外では,これまで,中南米のブラジル,ペルー,アルゼンチン,チリ,ベネズエラ,エクアドル,コスタリカ,パラグアイが日本方式を採用している(Tech-On!関連記事)。

 総務省は,関係省庁や放送事業者,メーカー,研究機関等と連携しつつ,専門家を派遣してのセミナー開催や試験放送の実施,また方式検討担当者を日本に招聘するなど,フィリピン政府等関係者に対し,日本方式の採用に向けた働きかけを継続して行ってきた。

 この結果,ハイビジョン放送と同時に移動端末向け放送サービス(ワンセグ)が提供可能であることや,干渉に強く移動中の車内や山がちな場所においても良好に受信ができることなどが評価されて,6月11日に電気通信委員会(NTC)が,フィリピンの地上デジタル・テレビ放送方式として日本方式を採用する旨の規則に署名したという。

 今後総務省は,関係省庁及び関係機関と連携のうえ,フィリピンにおける日本方式の円滑な導入に向けて,技術協力や人材育成等の支援を実施していく予定である。さらに,日本方式を採用した国々と連携しつつ日本方式の更なる海外普及に努めていくという。