NTTドコモは2010年6月8日,同年12月に開始予定のFDD LTEを使った通信サービス用ネットワークの試験運用を東京都内から開始すると発表した。伝送速度や遅延といった通信品質や,通信端末が移動した場合の安定性など,実際の運用を想定した検証をするのが目的。

 利用するのは2GHz帯。まずは5MHzの帯域幅を使い,下り最大37.5Mビット/秒,上り最大12.5Mビット/秒の伝送速度で,データ通信の状況を検証する。さらに,帯域幅を10MHzに拡大し,下り最大75Mビット/秒,上り最大25Mビット/秒の検証も実施する予定。下りにはいずれも,2×2のMIMO(multipul input multipul output)を利用する。

 今回のLTE導入に当たっては,W-CDMA用サービスで利用している既存のアンテナをそのまま利用する(Tech-On!関連記事)。その代わりアナログ信号を処理するRRE(remote redio equipment)をW-CDMAとLTE共用のものに交換し,LTE用のBBU(bese band unit)を従来のBBUに並列させて追加する構成を採る。NTTドコモは新型のRREについては既に2009年から導入を進めており,BBUは2010年から導入を始めている。これにより,追加コストを最小限に抑えて,LTEの通信サービスを開始できるとしている。