写真1 NTTドコモ執行役員研究開発推進部長の尾上誠蔵氏
写真1 NTTドコモ執行役員研究開発推進部長の尾上誠蔵氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2 LTEの機器構成 アンテナはそのままにLTEと3Gを共用のRRE(remote radio equipment)に交換し,LTE用のBBU(base band unit)を従来のBBUの横に追加する構成を採る。
写真2 LTEの機器構成 アンテナはそのままにLTEと3Gを共用のRRE(remote radio equipment)に交換し,LTE用のBBU(base band unit)を従来のBBUの横に追加する構成を採る。
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモの尾上誠蔵氏(執行役員 研究開発推進部長)は2010年6月3日,中国上海市で開催中の「NGMN Industry Conference & Exhibition 2010」で講演し,海外の携帯電話事業者に対して,2.1GHz帯でのLTEの開始を呼びかけた(写真1)。

 現在,LTEによる通信サービスの開始を予定している国では2.6GHz帯を使うケースが多い。尾上氏は「LTEは第3世代携帯電話とは別の周波数で展開するのが当然のように考えられているが,そうではない。むしろアンテナ設備を共用できるため効率的だ」とした。実際,NTTドコモは,3G向けのアンテナをそのままにして,既存の基地局設備に最小限の設備の追加や交換でLTEの通信機能を追加できるシステムを開発し,基地局メーカーに納入させている(写真2)。また,このインタフェースをETSIで標準化しており,NTTドコモ以外の携帯電話事業者が利用できるようにしている。

 2.1GHz帯は海外でもIMT-2000用の帯域として割り当てられており,W-CDMAで利用している例が多い。そのため,多くの携帯電話事業者はNTTドコモと同じシステムを導入することが可能だ。最後に「LTEの展開コストを減らせるし,相互ローミングができるようになるので,是非,検討して欲しい」(尾上氏)と締めくくった。