昭和電工は、大分石油化学コンビナートのエチレン製造設備で進めていた効率化工事を終えたと発表した。新設した高効率型分解炉などの効果でエネルギ効率は工事前と比較して5.3%向上し、二酸化炭素排出量も年間5万9000t削減できるという。既に2010年5月2日に稼働させている。

 昭和電工グループは今回の工事によって、京都議定書での日本の温暖化ガスの削減目標に当たる6%分の削減を、外部からの排出権購入などによらずに同社グループ内の努力で達成できるとしている。加えて、新型分解炉は、LPG(液化石油ガス)といった軽質原料からNGL(天然ガスから分離されたガソリン)や灯軽油といった重質原料まで使用できるので、原料選択の自由度の向上といったメリットもある。

 今回の効率化工事は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2007年度「エネルギー使用合理化事業者支援事業」に選定されて実施した。