図1 3Gサンプル/秒と高速なA-D変換器
図1 3Gサンプル/秒と高速なA-D変換器
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 ナショナル セミコンダクター ジャパンは2010年5月25日,変換速度が3.6Gサンプル/秒と高速な12ビットのA-D変換器「ADC12D1800」を開発した。主にソフトウエア無線技術を採用した無線通信機器や計測機器などに向ける。「他社の12ビット品と比べて,3.6倍高速」(ナショナル セミコンダクター ジャパン)とする。サンプル出荷を既に開始しており,2010年第3四半期から量産を始める計画である。

 開発したA-D変換器はパイプライン型で,2チャネルを集積する。2チャネル利用時の変換速度は最大1.8Gサンプル/秒となる。1チャネル利用時に,インターリーブを実施することで3.6Gサンプル/秒を実現する。消費電力は1チャネル当たり2.05Wで,ノイズ・フロアは-147dBm/Hzとなる。

 125MHz時のSN比は57.8dB,スプリアス・フリーのダイナミック・レンジ(SFDR)は67dBc,有効ビット数(ENOB)は9.2ビットである。パッケージは292端子のBGA。動作温度範囲は-40~+85℃で,動作電圧は1.9Vとなる。

 ナショナル セミコンダクター ジャパンはこのほか,12ビットで最大3.2Gサンプル/秒の「ADC12D1600」,最大2.0Gサンプル/秒の「ADC12D1000」を開発した。これら2品種も2チャネルを集積する。