米GE,世界各地でスマートグリッドを実験
米General Electric Co.(GE社)は,本誌主催の「スマート・エネルギー・シンポジウム」で,同社が世界各地で取り組んでいるスマートグリッドの大規模実証実験を紹介した。同社の電力事業部門であるGEエナジー,アジアパシフィック総代表 上西健次氏が,同シンポジウムで講演したものである。
上西氏によると同社の実験場所は,米国,アラブ首長国連邦(UAE),中国など複数の国・地域にわたるという。
まず米国では,大型のものだけでハワイのマウイ島,フロリダ州マイアミ,ミシガン州などでのプロジェクトがある。マウイ島でのプロジェクト名は「マウイ・スマートグリッド・プロジェクト」。同プロジェクトの目標は,各種再生可能エネルギーを効率的に統合し,全エネルギーに占める割合を2030年に40%にまで高めること,そして電力需要のピークを15%削減すること,だとする。
GE社は,このプロジェクトに,(1)発電量と電力需要のバランスをはかり,電圧を一定に保つためのシステム,(2)再生可能エネルギーの利用率の予測システム,(3)余剰電力の貯蔵や利用システム,(4)スマート・メーター,(5)電力の消費量を制御できる「スマート家電」,(6)風力やガス・タービンなどの統合発電設備,などを提供するという。
一方,マイアミのプロジェクト「エナジー・スマート・マイアミ」は,100万世帯が対象。米国の景気刺激策によって2億米ドル分の助成金が出ているという。「グリーンカラー」と呼ぶ,関連した雇用を800〜1000件創出することなどが目標になっている。GE社は,スマートメーターを100万台提供するほか,デマンド・レスポンスや分散型電源などを実証するという。
ミシガン州で進めているのは,「ミシガン州・パイロット・プロジェクト」。実験目的は,無線通信仕様のWiMAXや次世代移動体通信システムを搭載したスマート・メーターを利用し,電力網全体の効率と信頼性をリアルタイムに確保していくことである。ここでもGE社は,スマート・メーター,通信のセキュリティ機能,送配電管理システムなどを提供する。
米国以外では,中国・揚州の「スマートグリッド・デモセンター」でのプロジェクトなどを挙げた。停電や復旧の管理,家庭内のモニターを介した電力需要の管理システムなどを実演・実証するとする。プロジェクトは段階的に進め,2012年には,揚州市全体で展開する計画である。
最後にGE社が紹介したのは,UAEアブダビ近郊の「マスダール・シティ」プロジェクトだ(関連記事)。同プロジェクトには多数のメーカーが参加しているが,中でもGE社は「(プロジェクト主催者と)戦略的パートナー・シップを結んでいる」とする。具体的には,同社の「Ecomagination Center」を通じて,浄水技術,省エネルギー家電,再生可能エネルギーなどについての情報提供をするという。












