図1 シャープ製の「LYNX SH-10B」
図1 シャープ製の「LYNX SH-10B」
[画像のクリックで拡大表示]
図1 韓国Samsung Electronics社の「Galaxy S」の販売を公表するNTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏
図1 韓国Samsung Electronics社の「Galaxy S」の販売を公表するNTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏
[画像のクリックで拡大表示]
図3 スマートフォン専用のインターネット接続サービス「spモード」の発表資料
図3 スマートフォン専用のインターネット接続サービス「spモード」の発表資料
[画像のクリックで拡大表示]

 2010年にスマートフォン新時代を迎えた――。NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は2010年5月18日,2010年夏モデルの発表会でこう発言し,スマートフォンのラインナップを強化していく方針を示した。今回の夏モデルでは3機種のスマートフォンを投入する。さらに,年度内に新たに5機種程度追加する。つまり,2010年度には4月に出荷を始めたソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーション製の「Xperia」を合わせて合計9機種のスマートフォンを提供することになる。

 2010年度のスマートフォンの販売台数の目標としては「今年度国内で300万台のスマートフォンが出荷されるがそのうち100万台を取りたい」(山田氏)とした。

夏モデルではKDDIの姉妹機を用意


 夏モデルとして販売されるスマートフォン3機種はシャープ製の「LYNX SH-10B」,東芝製の「dynapocket T-01B」,カナダResearch In Motion Ltd.の「BlackBerry Bold 9700」である。それぞれ,6月から8月にかけて順次出荷される。

 LYNX SH-10Bは折りたたみタイプのQWERTYキーボードを搭載した端末である(図1)。OSとして米Google Inc.のソフトウエア・プラットフォーム「Android 1.6」を採用している。dynapocket T-01BはスライドタイプのQWERTYキーボードを搭載した端末で,米Microsoft Corp.のスマートフォン向けOS「Windows Mobile 6.5」が搭載されている。なお,LYNXとT-01Bの仕様や形状はKDDIが2010年3月30日に発表したAndroid端末「IS01」と「IS02」とほぼ同じである(Tech-On!関連記事)。

 BlackBerry Bold 9700は現行モデル「9000」の後継機種。約122gに軽量化されたほか(9000は約137g),カーソル操作用のトラックボールが,触って操作するトラックパッドに変更された。

秋以降にSamsungの「Galaxy S」を投入


 夏モデル以降に出荷する5機種のうちの1機種として,2010年秋以降,韓国Samsung Electronics社の「Galaxy S」ベースの端末を投入する(図2)。Galaxy SはAndroid 2.1を搭載したフルタッチパネル型の端末で,表示部には480×800画素で4インチ型の有機ELパネルを採用している。1GHz動作のアプリケーション・プロセサ,5Mピクセルのカメラを搭載する。このほかの機種は不明だ。「Androidを中心に様々なタイプの端末を用意する」(山田氏)という。

スマートフォンからのiモード利用が容易に


 さらに,サービス面でもスマートフォンを強化する。2010年9月からスマートフォン専用のインターネット接続サービス「spモード」を9月から開始する(図3)。iモードのメール・アドレスがスマートフォンで本格的に利用可能になるほか,コンテンツの決済,有害サイトのブロックなどの機能を提供する。

 これまでにも,専用アプリを使うことで,スマートフォンからiモード・メールを使うことができた。しかし,アプリケーションが定期的にサーバーに受信メールを確認に行く仕組み「疑似プッシュ」で新着メールを確認していた。この方式は受信までにタイムラグがある上,端末の電力を消費してしまう。spモードではセンター側から端末にメールの受信をプッシュで通知するようになる。

 スマートフォンでiモード・メールを利用する際の料金も下げる。これまではiモード・メールを使う際,パソコン向けのISPサービスであるMopera Uの接続料(月額315円または525円)に加えて,パソコンやスマートフォンでiモード・メールを扱えるようにする「iモード.net」(月額210円)に加入する必要があった。spモードではISPの料金とiモード.netの機能を統合し,iモード利用料(月額315円)と同じ程度の料金で提供する。

 spモードで提供するコンテンツの課金決済は,アプリやコンテンツを購入した際に,NTTドコモの通信料金と一緒に引き落とすというもの。現時点では,スマートフォン向けにのアプリやコンテンツは,Androidの場合はGoogle社が運営する「Android Market」,Windows Mobileの場合はMicrosoft社が運営する「Windows Marketplace」で購入する仕組みになっている。