2010年6月1日に開催する「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAYS 2010 summer」の専門セッション「D-2 パワーデバイス」では,電動車両を支えるパワー半導体の最新動向や,モータやリアクトルの特性を改善する軟磁性材料の活用事例を紹介する。

 インバータやコンバータなどの電源回路の効率向上に欠かせないパワー半導体について,富士電機ホールディングスと富士通研究所,インフィニオン テクノロジーズ ジャパンが最新の取り組みについて紹介する。

 富士電機はSiを使ったIGBTをはじめ,次世代材料の一つであるSiCの最新動向を解説してもらう。富士通研究所からは,発光素子や高周波素子だけでなく,パワーデバイスとして利用する機運が高まっているGaNの現状と最新成果を語ってもらう。インフィニオンからは車載用パワーデバイスの現状と将来展望を紹介してもらう。

モータやリアクトルを進化させる軟磁性材料


 このほか,名古屋工業大学が「希土類磁石量を半減する高出力密度駆動用モータ」,大同特殊鋼が「リアクトル用金属軟磁性粉末の開発」と題して講演する。名古屋工業大学は,現行のハイブリッド車と比べて,希土類磁石の使用を半減した駆動用モータを開発している。モータコアに3次元等方磁性の軟磁性複合粉材を使用するのが特徴である。

一方,大同特殊鋼はトヨタ自動車の新型「プリウス」の昇圧用リアクトルに軟磁性粉末材料を供給している。トヨタ自動車の高密度成形技術との組み合わせにより,優れた磁気特性と低コスト化を実現した圧粉磁心を開発した。同社の軟磁性粉末材料について紹介する。