イタリア館でのDustCart。実演はしていないようだ。
イタリア館でのDustCart。実演はしていないようだ。
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 上海国際博覧会(上海万博)でイタリアが出展したパビリオンでは,家庭のゴミを収集するロボット「Robot DustCart」が出展されている。

 このロボットを試作したのは,「斜塔」で知られるイタリア・ピサにある大学「Scuola Superiore Sant'Anna of Pisa(イタリア聖アンナ大学院大学)」,Italian Institute of Technology(IIT)など。欧州European Commission(欧州委員会)の助成で2009年末まで進められていた開発プロジェクト「Dustbot」の成果だという(関連サイト)。このロボットは,国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の招きで2009年に「来日」したこともあるようだ(YouTubeの関連映像)。

 想定するロボットの使い方はこうだ。家庭でゴミが溜まり,収集の必要性が出てきた際に,電話でゴミ収集用のコール・センターに電話を掛ける。すると,センターからその家に一番近くにいるロボットに収集の指令が届く。ロボットはカーナビのような地図情報を持っており,住所を知ると自動的にその場所に向かう。障害物を認識して避ける機能も備えているという。ロボットが指定の家の近くまで来ると,「もうすぐ到着します」というメッセージを,メールでゴミ収集を依頼した家に掛けて知らせる。つまり,タクシーの送迎サービスに似ている。

 ロボットは「身長」150cm,「体重」70~85kg。ロボットの移動機能の実現には,米Segway社が開発したプラットフォーム「Robotic Mobility Platform(RMP)200」が採用され,2輪で前後のバランスをとりながら移動できるようになっている。