シャープ,携帯端末向けの3Dカメラ・モジュールを開発
シャープは,デジタル・カメラや携帯電話機,携帯型ゲーム機などに向けた3次元(3D)カメラ・モジュールを開発した(発表資料)。同社は,これにより個人が気軽に3D写真や3Dの動画を撮影できるようになり,3Dテレビにとってもコンテンツ不足の解消につながるとする(関連記事1,関連記事2)。
開発したカメラ・モジュールは,1個が500万画素のCMOSセンサを2個,一体型のモジュールに収めたもの。オートフォーカス機能を備える。寸法は13mm×43mm×8mmで,2個のレンズの間隔は30mmである。人間の目の65mm前後という間隔に比べて短いが,「撮影した映像の立体感は十分ある」(同社)という。
特徴は,(1)最大1280×720画素,30フレーム/秒のHD動画像での撮影が可能,(2)CMOSセンサの特性バラつきから起こる色や明るさのズレ,位置ズレ(光軸のズレ),そしてフレームの同期ズレを補正する機能を実装した,といった点である。
(1)の動画の解像度については,「3Dテレビに映像を表示することを考えて,解像度を高めた」(シャープ)。個人向けの3Dカメラは既に製品があるが,動画の解像度は640×480画素(VGA相当)だった。
撮影した左目用と右目用の映像データは,それぞれ最大720pで2チャネル同時に,8ビットのパラレル・インタフェースで出力する。実際に携帯電話機やゲーム機などで3Dで表示する際には,セット・メーカーが映像データをサイド・バイ・サイド方式や裸眼向け3D表示用のデータなどに加工することになる。
(2)色や明るさのズレを補正する機能は,業務用の3Dカメラなどには実装されているが,個人向けの製品ではほとんどなかった。シャープは,同社のセンサ関連事業で開発済みの信号処理LSIを応用することで,「1年弱」(同社)という短い期間でしかも比較的低コストで今回のモジュールを開発できたという。
2個のカメラの光軸のズレは,一体型モジュールのため,物理的には修正できないが,これも信号処理LSIによるソフトウエア処理で補正する。「技術的には,光軸が交わる角度(輻輳角)を撮影対象との距離に応じて変えることも可能」(シャープ 電子デバイス事業本部 システムデバイス第1事業部 事業部長の本道昇宏氏)。
製品は,2010年7月にサンプル出荷を開始する。量産体制が整うのは,2010年12月。ただし,このモジュールが実装された製品が発売されるのは「セット・メーカーの予定次第」(同社)という。シャープの携帯端末に加え,他社への外販も想定する。












