モックアップ。光軸方向の寸法が非常に長い。
モックアップ。光軸方向の寸法が非常に長い。
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 ソニーは2010年秋に,レンズ交換式ビデオ・カメラを発売する(ニュース・リリース)。その主要部品は,ミラーレス機「NEX」シリーズから転用する予定。交換レンズ接続規格は,NEXが用いているEマウントである。

 ソニーに類似した試みは,パナソニックがしている。ただし,パナソニックは放送局に向けて商品を開発中なのに対し,ソニーは「あくまで民生向け」(説明員)である。このためソニーが発売する,レンズ交換式ビデオ・カメラの本体価格は,二ケタの万円台になりそうだ。

 ソニーはレンズ交換機によって,民生用ビデオ・カメラ「ハンディカム」とは異なる市場を創出したいという。その正否はもちろん分からないが,現時点でほぼ確実なことは,レンズ交換機がハンディカムの上位機種の売り上げ低下を招くことだ。

 NEXベースのレンズ交換機は,撮像素子の面積の点から既存の上位機種より格段に高い画質を実現できる。加えて,技術面での最大の懸案事項であるオートフォーカスに関しても実用的な水準に仕上げてくると考えられる。

 発表会に出席したある社員は,「ハンディカムの売上高の低下を押しとどめることではなく,新しい動画撮影の体験を提供することに,自らの力を割きたい」と語った。