HEVやEVなど電動車両のキーテクノロジーとなる2次電池。車載用Liイオン2次電池の新規参入が相次ぎ,各社のLiイオン2次電池の開発競争が激化している。2010年5月31日に開催する「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAYS 2010 summer」の専門セッション「B-1 電池・充電技術I」では,車載用Liイオン2次電池と,その電極材料の最新動向を解説する。

 車載用Liイオン2次電池では,電池ベンチャーである米ENERDEL社とエナックスが講演する。ENERDEL社は伊藤忠商事と提携しており,ノルウェーTHINK社をはじめ,北陸電力の電動バスや,つくば市での実証試験向けにマツダのEV試作車などに電池を供給している。

 エナックスは,2006年に村田製作所や大研科学工業と業務提携したほか,2008年にドイツContinental社から出資を受けている。2010年4月には中国自動車技術研究センター(CATARC)などと合弁で,電気自動車向けLiイオン2次電池の新工場を建設する計画を発表している。積極的に車載用2次電池の開発を進める両社に最新の取り組みを紹介してもらう。

 さらに,電動車両に向けたLiイオン2次電池の課題と可能性について,元ソニー 業務執行役員上席常務の西美緒氏が「電池技術の限界と可能性」と題して講演する。車載用Liイオン2次電池の開発の方向性を示すほか,ポストLiイオン2次電池といった次世代電池の可能性について解説する。

電極材料の最新動向が分かる

 電極材料では,住友大阪セメントに正極材料,三井金属鉱業に負極材料への取り組みを紹介してもらう。具体的には,住友大阪セメントは水熱合成法で作製することで特性を高めたリン酸鉄リチウム(LiFePO4)について解説する。

 一方,三井金属鉱業は現在の炭素材料世路も高容量化が可能なSi(シリコン)系材料を開発している。車載用途での適用を目指し,サイクル寿命を伸ばす取り組みを進めており,その取り組みについて講演する。