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【iPad:識者はこう見る その3】インタラクティブ・テレビに応用できそうだ

Tim Bajarin氏 Creative Strategies, Inc.,President

Phil Keys=シリコンバレー支局
2010/05/12 09:00
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Tim Bajarin氏
Tim Bajarin氏
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1980年代から長きにわたってパソコンおよび家電業界の動向をフォーローしている,アナリストのTim Bajarin氏に,iPad登場のインパクトを聞いた。(聞き手はPhil Keys=シリコンバレー支局)。



 iPadはコンピューティング業界に重要な変化をもたらす製品だと思う。これまでの30年間,コンピューティングにおけるユーザー・インターフェース(UI)の主役はキーボードやマウスだった。これが,iPadの登場によって変わる。本格的な「タッチ・コンピューティング」の時代が始まるのだ。

 コンピューター・サイエンスの分野では,従来から人間の手や指は有力な操作手段であることが知られていた。実際,ATM(現金自動預入支払機)やキオスク端末などの多くの機器がタッチ型のUIを採用している。もっとも,これまでパソコンや携帯電話機で採用されていたタッチ型UIの完成度は必ずしも高いとはいえなかった。Apple社はハードウエアやソフトウエア,UI,サービスの統合によって優れたユーザー体験を実現した。iPadはある意味,「大型のiPod touch」だが,画面サイズにおける数字の差をはるかに超えたユーザー体験の違いがある。iPadは,そのUIによってコンピューターであることをユーザーから「隠す」ことに成功した。直感的で使いやすいコンピューターに仕上がっている。

 iPadは「カウチ・コンピューティング」という新しい分野を開拓するだろう。従来のコンピューターは,使うときの姿勢が限定されていたが,iPadならリビングのソファー(カウチ)に寝そべりながら使ったり,いろんな姿勢で使える。私が見たので印象的だったのは,テレビを見ながらiPadを手に持ち,ゲームで遊んだり,電子メールをチェックしたりして楽しんでいるユーザーの姿だ。

 個人的に興味深いのは,「インタラクティブ・テレビ」への応用の可能性である。従来から,パソコン業界ではインタラクティブ・テレビの開発に取り組んできた。こうしたテレビの操作は,42型など大画面テレビから3mほどの距離から使えるUIで行うのが常識だった。だが私は,こうしたUIよりもユーザーが手に持つiPadを経由してテレビを操作する方がいいと考えている。例えば,テレビの番組情報をiPad上で動作するアプリに表示して,そこで番組を選んだりできる。将来的には,テレビ番組とiPadのアプリを連動させることができるかもしれない。テレビに広告が表示されると,その製品に関する詳細な情報がiPadに表示されるといった具合だ。ケーブルテレビ事業者なら,iPadのような端末にインタラクティブ・テレビ用リモコンの機能を持たせようと考えるかもしれない。私がケーブルテレビ事業者だったら,Apple社と協力して次世代のiPadに赤外線通信機能を搭載してもらい,リモコンなどに使えるようにする。

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