パナソニックが5月7日に発表した2010年3月期(2009年4月~2010年3月)の連結決算は,売上高が前の期に比べ4.5%減の7兆4179億円,営業利益が同2.6倍の1904億円だった。ただ,リストラなどの構造改革費用が膨らみ,最終損益は1034億円の赤字(前の期は3789億円の赤字)。前の期に比べ赤字額は大幅に圧縮したが,2年連続の最終赤字となった。

 年間目標を約1100億円上回る3715億円の固定費削減の効果などで営業増益を確保した。2009年12月の三洋電機の子会社化や,エコポイント効果で好調だった薄型テレビの国内販売などが寄与し,2010年1~3月期の売上高は前年同期比で43%増と大幅な増収だった。ただ,パソコンや業務用AV機器などの企業向け製品の売り上げ減などが響き,通期では減収となった。

 今期(2011年3月期)の連結業績は,売上高が前期比18.6%増の8兆8000億円,営業利益は同31.3%増の2500億円と増収増益を見込む。最終損益も500億円の黒字に転じる見通し。最終黒字は3年ぶり。三洋電機の買収効果が通期で寄与するほか,新興国向けの販売増が牽引する。デジタル家電や白物家電,半導体などすべての事業部門で増収増益を見込む。