図1 V2Gに向けたEV「E3」
図1 V2Gに向けたEV「E3」
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 ドイツのエネルギー大手EWE AGは,電力網に電力を供給可能な「Vehicle to Grid(V2G)」に対応した電気自動車(EV)「E3」を上海国際博覧会(上海万博)のベストシティ実践区にあるドイツのブースに出展した(図1)。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを電力系統に導入する際,それらの不安定な出力をEVの蓄電池を利用して平準化することが狙い(図2)。将来,双方向の通信を活用した次世代電力網「スマートグリッド」とV2Gを組み合わせることで,電力取引市場の構築も見据えている。

 EWE社はE3を,ドイツWilhelm Karmann GmbHと共同で開発した(図3,4)。Liイオン2次電池を座席の下に設置する。車両重量は1492kg。充電1回当たりの走行距離は170kmとなる。充電時間は400V/15Aで165分,230V/10Aで480分である。駆動用モーターの定格出力は37kW(最大57kW)で,最高速度は140km/h。

図2 EWEのスマートグリッドのコンセプト
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図3 E3のサイド・ビュー
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図4 E3のリア・ビュー
図4 E3のリア・ビュー
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