図1 日産自動車がスマートグリッドとEVの連携に向けた構想を示した資料。2009年のCEATECにて同社 常務執行役員の篠原稔氏が講演した。
図1 日産自動車がスマートグリッドとEVの連携に向けた構想を示した資料。2009年のCEATECにて同社 常務執行役員の篠原稔氏が講演した。
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 日産自動車と米General Electric Co.(GE社)は2010年4月26日,電気自動車(EV)の蓄電池を使い,次世代電力網「スマートグリッド」の運用に役立てる「Vehicle to Grid(V2G)」技術を共同で研究すると発表した。日産自動車でEVや蓄電池技術などの開発に関わる10人程度が,主にGE社の研究所があるニューヨーク州で実験する。研究期間は3年間。多数のEVの蓄電池から,電力系統の需給に応じて電力を充放電することで,電力網の安定化に役立てるといった技術開発などを想定する。

 日産自動車は横浜市の実証実験に参加するなど,スマートグリッドとEVの連携に向けた技術開発に積極的に取り組んでいる(Tech-On!関連記事)。「スマートグリッドに向けた技術開発で世界的に大手のGE社と研究することで,いち早く技術開発を進められる」(日産自動車)と考えた。

 大きく二つの分野で共同研究を進める。一つは,EVの蓄電池を活用して,住宅内の電力運用に役立てる「Vehicle to Home(V2H)」と呼ばれる技術である。もう一つが,多数のEVの蓄電池を管理して電力網の運用に役立てるV2Gとなる。