世界最小の3次元世界地図
世界最小の3次元世界地図
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加熱したSi探針でポリマーを加工
加熱したSi探針でポリマーを加工
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分子ガラスを使い,マッターホルンのレプリカも作製
分子ガラスを使い,マッターホルンのレプリカも作製
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加工に利用したSi探針
加工に利用したSi探針
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 米IBM Corp.の科学者が世界最小の3次元世界地図を製作した。世界地図の寸法は22μm×11μmで,高さ8nmの地点が標高1000mに相当する3次元構造になっているという。

 AFM(原子間力顕微鏡)のSi探針を加熱しながらレジストに押し当てることで,フライス盤のようにレジストを局所的に分解・除去し,3次元的な構造を形成した。解像度15nmの密集配線パターンを形成することにも成功しており,次世代の半導体リソグラフィ技術として利用できる可能性もあるという。

 世界地図の製作には「polyphthalaldehyde」と呼ぶポリマー・レジストを利用した。このほか,分子ガラス・レジストを使い,マッターホルンの微小3次元レプリカも製作している。標高4478mのマッターホルンを高さ25nmに縮小した。

 なお,世界地図の成果は雑誌「Advanced Materials」,マッターホルンの結果は「Science」にそれぞれ掲載した。今回の技術の解説はYouTubeに載っている。