28nm世代のFPGA製品を発表したAltera社に生産委託の戦略を聞く
米Altera Corp.,Vice President,Product and Corporate Marketing Vince Hu氏
大手FPGAベンダーの米Altera Corp.が,2010年4月19日に28nm世代のハイエンドFPGA製品ファミリ「Stratix V」を発表した。Stratix Vの生産には,長年盟友関係にある台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.(TSMC)の高性能(HP)プロセスを利用する。28nm世代のFPGAについては,競合メーカーの米Xilinx,Inc.もTSMCに生産を委託する方針を明らかにしている。競合メーカー同士が同じSiファウンドリーを利用する状況をどう捉えているのか。Altera社,Vice President,Product and Corporate MarketingのVince Hu氏に,話を聞いた。
問 Stratix Vの製造には, TSMCのHPプロセスを利用する。同じくTSMCに28nm世代のFPGAの生産を委託する米Xilinx,Inc.は,Altera社と異なり,低消費電力プロセスを利用する計画を明らかにしている(Tech-On!関連記事)。Altera社は,Stratix VでなぜHPプロセスを利用するのか,その理由を知りたい。
Hu氏 プロセス・ノードごとにプロセス技術の選択肢はいくつかある。Altera社は,ターゲットとなるファミリごとに最も適切なプロセス技術を利用するという考え方を持っている。我々がStratix VでHPプロセスを選択したのは,次世代の超高帯域幅システム向けのFPGA用として最良と考えたからである。例えば,他のプロセス・オプションより35%高速である。それでいて,前世代の製品より消費電力は約30%低い。すなわち,最高速,かつ消費電力が低いトランシーバを実装できる。
今回のStratix Vでは,最高28Gビット/秒の超高速トランシーバを備える。実際,機器メーカーにとっては,トランシーバ回路だけ速くても,内部の論理回路の処理性能が低くては意味がない。こうした観点からも,内部の論理回路の性能を可能な限り高める必要があった。一口にTSMCのHPプロセスと言っても,我々が使用するプロセス技術は,TSMCが一般に公開しているものと全く同じではない。そのために,我々は,非常に細かいレベルで,TSMCとプロセス技術の共同開発に取り組んでいる。
問 同じ世代で比較すると,HPプロセスを利用した場合の消費電力は低消費電力プロセスに比べると大きくなるだろう。消費電力の削減策を教えて欲しい。
Hu氏 低消費電力化に向けた回路技術を積極的に導入している。例えば,我々には「プログラマブル・パワー・テクノロジ」と呼ぶ低電力用の回路技術がある。これは,論理回路の領域を区切って,高速性が求められる領域はそのまま動かし,高速性がそれほど求められない領域については,バックバイアス技術を使ってトランジスタのしきい値電圧を高める方法である。これにより,論理回路の消費電力を低減できる。
問 競合ベンダーのXilinx社が28nm世代からTSMCに生産を委託し始める。TSMCとAltera社は長らく蜜月関係を構築してきた。28nm世代からは,Altera社とXilinx社がいずれもTSMCをファウンドリーとして利用する。こうした状況に対する現在の率直な感想を聞きたい。
Hu氏 我々がXilinx社と異なるのは,17年もの間に渡って,TSMCと協業関係にあることだ。しかも,Xilinx社はマルチファウンドリー戦略を採っている。つまり,Xilinx社は,28nm世代では,TSMCと韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.の2社に生産を委託する。一方,我々はTSMCのみに生産を委託する。これにより,二つの利点が生まれる。一つは,TSMCと極めて密接な関係を構築できるので,歩留まりなどを改善しやすいこと。もう一つの利点は,TSMCのみに生産を委託することで,生産数量が多くなり,結果,量産効果を出しやすくなる。我々は,今後も,TSMCとの協業関係を強化していく。












