図1 電子指紋による認識技術を使って楽曲のメタデータをサーバーから受け取る
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図2 映画などの動画コンテンツのメタデータも検索できる
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図3 写真の管理では,赤目補正などが可能な画像編集機能も提供する
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図4 DLNAのサーバー機能を備える
図4 DLNAのサーバー機能を備える
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 米Rovi Corp.は,個人向けのメディア・データ管理ソフトウエア「Personal Media Manager」を発表した。同社の楽曲認識技術「LASSO」やメタデータ提供サービス,DLNA(Digital Living Network Alliance)のサーバー機能などを組み合わせたもの。Windows,Mac OS,Linux上で動作する。同社はPersonal Media Managerを個人には販売しない。携帯型マルチメディア・プレーヤーやDLNAのクライアント機能を備えたテレビなどのメーカーにライセンス販売し,メーカーが機器の付属ソフトウエアとしてユーザーに供給する形態を想定する。

 Personal Media Managerは,音楽,映像,写真のデータを統合管理するソフトウエアである。「ユーザーが多量のメディア・データを持つ今,任意のコンテンツにすぐにたどり着けるようにすることの重要性が高まっている。そのためには,適切なメタデータを付与することが必要」(ロヴィ セールス担当VPの出口雄一郎氏)として,メタデータの管理に重点を置いて開発した。

 音楽データの管理機能では,それぞれのファイルの音声の波形データを基にRovi社のサーバーに問い合わせて楽曲を特定し,Rovi社が持つメタデータをファイルに書き込める(図1)。いわゆる「電子指紋」を使ったコンテンツ特定技術である。動画データの管理機能では,ファイル名などの文字情報を基に問い合わせることで,映画などのコンテンツのメタデータを入手する(図2)。写真の管理機能は,主にユーザーが撮影した写真の管理を想定しており,メタデータの一部としてキーワードなどを入力できるようにしたほか,画像編集機能やオンライン写真管理サービスへのアップロード機能なども備える(図3)。

 このようにメタデータを整えたメディア・データを外部の機器から再生できるようにするため,DLNAのサーバー機能(Digital Media Serverクラス)に対応した。クライアント機能(Digital Media Playerクラスなど)に対応する機器を使って,家庭内のIPネットワーク越しでメディア・データを再生できる(図4)。また,DLNAサーバー機能に対応する機器を操作するDigital Media Controllerクラスにも対応した。DLNAサーバー機能を備えるネットワーク接続型ストレージ(NAS)などに格納したメディア・データについて,メタデータをネットワーク越しで編集できる。

 Rovi社は,機器メーカーが自社製品の付属ソフトウエアとして提供するために,カスタマイズしやすいように設計したとする。ウインドウのスキンを変更したり,任意のWebサイトと連携させたりといったカスタマイズが可能である。現在,Personal Media Managerの評価版を一部のメーカーに渡し,評価を始めてもらった段階。各社からのフィードバックを受けながら製品版に向けた開発を進めていく予定という。