ソニーとFIFAは,2010年6月11日~7月11日に南アフリカ共和国で開催されるサッカーのFIFA ワールドカップ(W杯)で,25試合を3D技術で映像化すると正式に発表した(発表資料)。

 3D映像にするのは,全64試合のうちの25試合。6月11日,開幕戦の南アフリカvsメキシコ,6月19日のオランダvs日本,準々決勝4試合のうち3試合,準決勝以後の4試合すべてなどを含む。

 3D映像の撮影には,ソニーの業務用カメラ「HDC-1500」14台を,2台1組で用いる。加えて,マイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」を搭載した映像の編集機器「MPE-200」で,左目用と右目用の映像の光軸のずれや色味のずれなどを解析・補正するという。

 撮影された映像は,FIFAが米ESPN,スペインSogecableなどの放送局に提供し,それが3D放送される。2局以外の3D放送の放送事業者や国・地域についてFIFAはまだ公表していないが,韓国SBSはW杯の試合を3D放送することを明らかにしている。このほか,スイスAruna Media社が,25試合のうち8試合を,世界26カ国のデジタル対応の映画館などにパブリック・ビューイングとして3D中継する。

 ソニーは放送権利者でないため,放送には直接携わらない。ただし,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)が,Blu-ray Discに25試合のダイジェスト映像を録画し,2010年内に販売する。ソニーは,このBlu-ray Discの予告編を,世界各地の同社のショールームや直営店舗約200店,販売店,関連イベントなど計約4000カ所で上映する予定である。日本では約500カ所になるという。