このマットを寝具の下に敷く
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使用例。寝具の下に敷いているのがセンサを組み込んだマット
使用例。寝具の下に敷いているのがセンサを組み込んだマット
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 タニタは,睡眠の状態を自宅などで簡単に計測できる睡眠計「スリープスキャン(SL-501)」を2010年5月に発売する。センサを内蔵したマットを寝具の下に敷き,横になって就寝するだけで計測できる。価格は3万6750円。一般消費者向けのほか,睡眠外来のある医療機関や介護施設,ホテルなどへの販売を想定する。初年度の販売目標は1万台。

 マットに組み込んだセンサが,脈拍数や呼吸数,体動を検出し,SDメモリーカードに記録する。このデータを,同梱の専用ソフトウエアをインストールしたパソコンに読み込めば,睡眠の状態がグラフなどで示される。具体的には,睡眠時間や寝つき時間,途中で目覚めた回数の情報などが分かるほか,これらのデータを基に「睡眠点数」が算出される。さらに,蓄積した過去のデータから,時系列的な睡眠状態の変化をグラフなどで把握することができる。

 センサには,水(精製水)を利用する。まず,マットに含有した水に伝わる振動を,コンデンサ・マイクで検出する。そして,検出した振動を,周波数や強度の違いから脈拍・呼吸・体動の三つの成分に分離するという原理だ。

 徳島県美馬市は,今回の睡眠計のモニター導入を決めた。同市は,糖尿病による死亡率が全国的にも高い水準であり,こうした状況の改善を図るのが狙いである。記者会見に出席した同市長の牧田久氏は「糖尿病と睡眠の関係は深いとされている。こうしたツールを利用すれば,市民の健康維持を実現できると同時に,医療費の削減につながる可能性がある。まさに,行政改革そのものの取り組みだ」とした。