日本通信は,SIMカード製品「b-mobileSIM U300」を2010年4月5日に発売する(PDF形式の発表資料)。SIMカードの提供者を制限しない,いわゆる「SIMロック・フリー端末」に向ける。このSIMカードを端末に挿入すると,NTTドコモの3G(第3世代移動通信システム)網を使ったデータ通信を一定期間利用できる。

 b-mobileSIM U300の価格は,1年契約の場合で2万9800円。1カ月当たりの料金として考えると約2500円となる。3G網を使った通信のデータ通信量は制限しないが,データ伝送速度を「上下ともにベスト・エフォートで300Kビット/秒超」(日本通信)に制限する。月額2500円程度という利用料金は,この帯域制限と組み合わせることで実現したとみられる。1年契約のほか,6カ月間(1万4900円),1カ月間(2980円)の契約も用意する。

 日本通信は,MVNO(仮想移動通信事業者)がゲートウエイ機能を持つ,いわゆる「レベル2接続」をNTTドコモとの間で実現し,「1分10円」のデータ通信サービス(Tech-On!の関連記事1)や,ノート・パソコン向けIP電話サービス(関連記事2)などの新手のサービスを続々と打ち出してきた。今回のb-mobileSIM U300は,SIMロック・フリー端末の普及を促す製品と位置付ける。米Google Inc.のスマートフォン「Nexus One」(関連記事3)のSIMロック・フリー版のような端末を想定しているという。ただし,回線交換による通話には対応しない。