JSRは2010年3月8日,高輝度LED向け機能性材料シリーズを新たに設定した「LUMILON」(ルミロン)という商品名で統合し,これを機に3種類の機能材料シリーズを発売した。LEDは,低消費電力を特徴として各種照明器具やディスプレイ,車載用途などで採用が急拡大している。そのニーズに対応するために,高輝度LED向け材料を強化するもの。
今回,発売するのは,LEDの素子製造工程で使う無機系塗布型絶縁材料「同 SCシリーズ」,同材料で感光によるパターニングが可能な「同 DEシリーズ」,電極形成に使うリフトオフ用フォトレジスト「同 LPシリーズ」。
同SCシリーズと同DEシリーズはポリマ技術をベースにした無機系塗布型絶縁材料。透明で耐光/耐熱性を備えることが特徴で,LEDの素子加工工程で使う。耐熱耐薬品性を高めた同SCシリーズは,エッチングやダイシング用塗布型ハードマスクに向く。現状で使われているCVD(化学的気相成長法)よりも均一な膜を形成できるので,製造工程の短縮と生産性の向上に貢献できるという。一方,同DEシリーズは感光性があるのでLED基板でパターニング性を持ち,エッチング加工を省略できるとする。両シリーズとも絶縁性に優れるので,LED素子の性能向上も期待できる。
同 LPシリーズは,半導体製造用フォトレジストの技術を応用したネガ型リフトオフプロセス用フォトレジスト材料。各種LED基板材料に対して高い密着性を持ちながら,一般的なはく離液が使える。逆テーパー形状(逆円錐状)も容易に形成できるという。また,電極蒸着時の100℃前後の温度にも耐えられ,従来材料では難しかった形状保持が容易になる。
このほか,既に発売している有機/無機ハイブリッドの封止材を「同 ENシリーズ」,高屈折コート材料を「同 HRシリーズ」とし,LUMILONとして販売する。