2009年MEMS売上高トップはTIに,Yoleが調査
MEMS関連の調査会社である仏Yole Developpement社は,2009年のMEMS売上高上位30位ランキングを発表した(英文の発表資料,図1)。首位には3年ぶりに米Texas Instruments Inc.(TI)が返り咲いた。2位は前年の首位だった米Hewlett-Packard Co.(HP),3位は前年に続いてドイツRobert Bosch GmbHが続いた。上位30位の企業の合計売上高は前年比5%減の50億米ドルとなり,初めて前年を下回ったとする。
この調査は,Yoleが各社のMEMS関連部門の売上高を算出したものである。MEMSデバイスだけでなく,MEMSファウンドリ・サービス,MEMS製造装置・材料などを対象としている。
首位に立ったTIのMEMS売上高は,「DLP(Digital Light Processing)」向けデバイスの苦戦によって,前年比10%減の6億4800万米ドルとなった。2ケタの減収にもかかわらず,TIが首位に立った理由は,2位のHPの落ち込みがさらに大きかったためである。
HPのMEMS売上高は,前年比15%減の6億2700万米ドルだった。インクジェット・プリンタの販売台数が減少した上に,インクジェット・プリンタ・ヘッドの平均販売価格が直前の2年間に比べて下がったことによる。
3位のRobert Boschの売上高は,前年比横ばいの4億4500万米ドルとなった。この売上高は,Robert Boschの自動車向けMEMSに加えて,同社の100%子会社であるドイツBosch Sensortec GmbHの民生機器向けMEMSを含む。Bosch Sensortecの民生機器用MEMSの売上高は,同125%増と大幅に成長した。
前年比5倍増のInvenSense
2009年のMEMS売上高上位30位の中で,売上高の伸び率が高かったのは,米InvenSense, Inc.とパナソニック エレクトロニックデバイスだった(図2)。InvenSenseの2009年のMEMS売上高は前年比497%増の9500万米ドルとなった。Yoleでは,3軸角速度センサを3米ドル以下の価格で販売したことが寄与したとする。InvenSenseの集積型角速度センサは,任天堂のゲーム機「Wii」用リモコンの動作認識の精度を引き上げるアクセサリ「Wii MotionPlus」に採用されている。
パナソニック エレクトロニックデバイスは,2009年のMEMS売上高を前年比67%増の2億700万米ドルと大幅に伸ばした。Yoleでは,自動車向けセンサ市場で米Systron Donner Automotive社が撤退した恩恵を受けたと分析している。
前年比30%以上減の自動車向けMEMSメーカー
YoleのCEOのJean-Christophe Eloy氏は,2009年上期はMEMS関連市場にとって最悪期の一つだったと分析している。特に,民生機器向けや自動車向けのMEMSを手掛ける企業への影響が大きかった。自動車向けMEMSでは,TPMS(tire pressure monitoring system)用やエアバッグ用のセンサ・メーカーが,低価格化の圧力と需要低迷が重なり,財務体質を悪化させたとする。
自動車向けMEMSメーカーでは,デンソーが前年比30%減の1億2000万米ドル,ドイツInfineon Technologies AGが同33%減の1億米ドルと,それぞれ同30%以上の減収となった。Infineonの減収要因には,ノルウェーSensoNor ASの分離や,InfineonのBAW(bulk acoustic wave)事業の米Avago Technologies Ltd.への売却による影響が含まれている。













