図1 UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏
図1 UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の田中孝司氏
[画像のクリックで拡大表示]
図2 加入者数の推移
図2 加入者数の推移
[画像のクリックで拡大表示]
図3 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.製の基地局
図3 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.製の基地局
[画像のクリックで拡大表示]
図4 NEC製の基地局
図4 NEC製の基地局
[画像のクリックで拡大表示]
図5 更なる高速化を図る
図5 更なる高速化を図る
[画像のクリックで拡大表示]

 UQコミュニケーションズが提供するIEEE802.16e規格の通信技術「モバイルWiMAX」を用いた「UQ WiMAX」が2010年2月26日,試験サービス開始から1周年を迎えた( Tech-On! 関連記事1 同2)。同社はこの日,報道関係者向けに説明会「UQ コミュニケーションサロン」を開催し,事業の進捗状況を説明した(図1)。

 UQ WiMAXは,2009年2月に試験サービス,2009年7月に商用サービスを開始した。試験サービス開始時の基地局数は約500局だった。当初は接続可能な範囲が限られており,ユーザーから「繋がらないとのお叱りの声が多かった」(同社 代表取締役社長の田中孝司氏)という。同社は2010年3月末までに4000局を設置する予定だったが,こうしたユーザーの声を受けて,計画を前倒しした。2010年2月末までに既に5985局を設置しており,同年3月末には7000局まで増設する予定。田中氏は「最近ではエリアについてのクレームは少なくなってきた」と語る。2010年4月からの1年間で「基地局を現在から倍増させたい」(同氏)とする。

 加入者数は2009年末時点で6万3600人(図2)。サービスエリアは現在,47都道府県417市区町村で,2010年3月末までにすべての政令指定都市,県庁所在地でサービスを開始する予定である(関連する発表資料)。

 基地局は,これまで韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が供給してきたが,2010年2月からNECが加わり,2社購買になった(図3,4)。UQコミュニケーションズは,基地局の光ファイバやEthernetなどの入力インタフェースを規格化しているため「同一ネットワーク上に複数メーカーの基地局を混在できる」(同社 執行役員副社長兼建設部門長の片岡浩一氏)という特徴がある。既に,宮城県仙台市では,両社製の基地局を混在させてサービスを提供している。

 2010年4月からの1年間は,データ通信速度を上げる取り組みを進める。IEEE802.16m規格に準拠したサービスを2010年秋から試験的に導入する(図5)。これにより,通信速度は現在の下り最大40Mビット/秒から最大350Mビット/秒に向上する。