【SPIE】「22nm以降のOPCパターンは円形ビームで描画すべき」,D2Sが提案
米D2S, Inc.は,22nm世代以降のLSI製造に使う露光マスクを従来に比べて低コストで作る手法を「SPIE Advanced Lithography 2010」で発表した(リリースのpdf)。曲線を多く含むOPC(補助)パターンの描画に円形の電子ビームを使うことにより,マスク・パターンの描画に要するショット数を低減する。今回,この手法に必要となるEDAツールとして,OPCパターンを円形ビームのショットに分解(flucturing)するソフトウェアを開発した。マスク描画用EB露光装置を手掛ける日本電子(JEOL)と共同で,このツールの有用性を検証中である。メモリーやロジックLSIの製造において,「既存のArF露光を延命していち早く22nm世代を量産化するための手段となる」(D2S,Chairman&CEOのAki Fujimura氏)。
22nm以降では,露光精度を高めるために,直線ではなく曲線のOPCパターンを多用する。例えば,ウエハーへの転写パターンを基にマスク・パターンを逆算して露光精度を高めるインバース・リソグラフィ(inverse lithography)では,曲線を持つOPCパターンが従来に比べてかなり増える(図1)。こうした状況を迎えると,矩形の電子ビームでパターンを描くことを前提とした現在のマスク製造法では,OPCパターンを高精度に描くことが難しくなったり,描画に必要なショット数が増えて描画時間が極端に長くなったりする。
今回,D2Sが提案したのは,曲線を多く含むOPCパターンを,矩形ではなく,円形の電子ビームで描く手法である。円形のビームは矩形のビームに比べて小回りが利くため,曲線を含むOPCパターンを精度良く描ける。異なるショット間で円形ビームの照射範囲をオーバーラップさせれば,ショット数も抑えられる。例えば,矩形ビームでは40ショットを要するブーメラン状パターンを想定すると,円形ビームをオーバーラップさせて描くと13ショットで済み,しかも曲線の再現精度も高まる(図2)。
D2Sは既に,JEOLと共同でこのEDAツールの有用性の検証を進めている。JEOLのマスク描画用EB露光装置にこのツールを導入し,ショット数の削減効果や描画精度などを検証中である。この成果については,2010年4月13〜15日の「Photomask Japan 2010」で発表する。
JEOLは,この手法の検証をD2Sとともに進めるメンバー企業として,D2Sが事務局を務める「eBeam Initiative」にほかの5社とともに参画した(リリースのpdf)。JEOL以外の5社は,米GLOBALFOUNDRIES社,米KLA-Tencor Corp.,ニューフレアテクノロジー,米Petersen Advanced Lithography, Inc.,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.である。












