【ミツミ展】血圧計向けに1.4mm角の圧力センサ,低コストを強調
ミツミ電機は,血圧計向けに使えるピエゾ抵抗型の圧力センサを「MITSUMI SHOW 2010」(ミツミ電機グループ総合技術展,2月25〜26日)に出展した。血圧計向けの圧力センサは,既に低価格化がかなり進んでいる用途である。現在のモジュール価格は100円以下と見られる。後発となる同社は,コストをさらに低減する方法として,チップ面積を既存製品の約2mm角から今回は1.4mm角に小型化したとする。
同社は,圧力センサのチップ面積を小型化するために,高速Si深掘り(Deep RIE:deep reactive ion etching)装置を使った。千歳事業所(北海道)の150mmウエーハ対応ラインで製造した。
Deep RIEを使うとチップ面積を小型化できる理由は,Siをほぼ垂直に深掘りできるためである。圧力検知用の隔膜(ダイアフラム)の下に形成される空洞の断面構造を垂直に形成できる。これに対して通常は,Si表面の結晶異方性を利用したウエット・エッチングで斜め方向に深掘りし,空洞の断面形状は隔膜側の辺が短い台形となる。エッチングの基点となるチップの底辺の面積を広く設計しなければならないために,チップ面積を小型化しずらい。
ただし,ピエゾ抵抗型の圧力センサの製造にDeep RIEを採用すると,製造コストが上昇する要因にもなりかねない。装置価格が数千万〜1億円と,ウエット・エッチングを使う方法よりも大幅に高いためである。また,高精度な加工をするために,Siウエーハに比べて2倍以上の価格であるSOI(silicon on insulator)ウエーハを使う必要が出てくる。SOIウエーハを使う理由は,空洞の形成時に酸化膜層をエッチング停止層として使って,エッチングの面内均一性を確保するためである。
同社では,Deep RIEとSOIを使いながら低コスト化できた理由として,チップ面積の小型化以外に,パワー半導体などの量産で実績のある再現性や,安定性が高いラインを使っているために競合企業よりも歩留りが高いことを挙げている。さらに,信号処理ICまで内製しているために,チップ単体でコスト競争力が下回った場合でも,圧力センサ・モジュールとしてのコスト競争力が高い点を強調している。












