「IPコアの新ビジネス・モデル」,1年前に始めたChipStartが語る
IPコアを巡っては,さまざまな企業やビジネス・モデルが出ては消えている。1998年に設計/開発コンサルタントして始まった米ChipStart LLCは,2008年末に戦略を転換し,「IPコアの新たなビジネス・モデルを構築した」(同社)という。
今回,顧客開拓を目的に来日した,同社のHoward Pakosh氏(President & CEO)とMark De Souza氏(Executive VP)に話を聞いた。両氏によれば,IPコア・プロバイダは全世界で300社以上あるが,そのうち市場である程度知られているのは20%に過ぎないという。「残りの80%は優れたIPコアを持ってはいるものの,会社にエンジニアしかおらず,マーケティングや営業ができないために,そうしたIPコアは陽の目を見ない」(Pakosh氏)。
非大手のプロバイダのIPコアを市場に流通させる試みは,日本のIPTCやスコットランドの「Virtual Component Exchange(VCX)」など,過去にいくつもあったが,上手くいかなかった。本体(RTLのHDLデータ)のほかの情報が整っていなかったり,実績がなかったりで,IPコアの活用の壁は意外に厚い。
こうした課題を緩和して,IPコアを使うための敷居を下げる試みの一つに,米IPextreme,Inc.が打ち出した「IPコアのVAR(value added reseller:付加価値再販業者)」がある(Tech-On!関連記事1)。IPextremeは主に半導体メーカーが社内向けに使っていた/いるIPコアを,市場で販売できるようにしている。半導体メーカーが使っている/いたので,「実績がない」という点はクリアしやすい。さらに,マニュアルなど当該IPコアを使うために必要な情報をIPextremeが付加する。
複数のプロバイダのIPコアを組み合わせる
今回,ChipStartが語ったビジネス・モデルは「VARではない」(同社)という。同社は,複数のプロバイダからIPコアを集めて,モジュールやサブシステムを構築して,それを販売するという。「異なるプロバイダが開発したIPコアをつないでひとまりとして稼働させるのは,それほど簡単ではない。われわれは中小を含めて世界中のプロバイダから最適なIPコアを探し,それらを連携動作させる」(同社)。
つなぐ手間の省力化のほかに,ChipStartは,ライセンスの手数の低減も図る。「複数のプロバイダのIPコアを組み合わせた場合でも,ユーザーはわれわれとだけ契約すれば良い。各IPコアのプロバイダと個別に契約する必要はない」(同社)。これまでに,プロバイダのメモリIPコアにテスト用の仕組みを付加したり,プロバイダのメモリIPコアにセキュア関係の仕組みを付加したりしてきた。
自前のコアもある
ChipStartには,自前のIPコアもある。例えば,SSM(SoC System Manager)と呼ぶIPコアは,SoC中の各ブロックを制御する。特定のブロックだけリセットしたり,シャット・ダウンしたりできる。また,回路ブロックをユーザーが設定した順序でブートしていくことも可能である。制御手順はソフトウェアで定義する。
さらに,設計サービスやコンサルティングなどをChipStartは行うほか,設計したチップの製造をにらみ,シリコン・ファウンドリの独Landshut Silicon Foundry GmbH(L Foundry)の代理店にもなった。「LSI開発のワンストップ・ショップを目指す」(同社)という。なおL Foundryはルネサス テクノロジの前工程工場だったが,2008年に全株式を,半導体の受託生産を専門とする独Silicon Foundry Holding GmbHに売却した(Tech-On!関連記事2)。





















