図1 右下は,鉛筆硬度が9Hのハードコート・フィルム。右上がAR機能付きハードコート・フィルムで,鉛筆硬度は5Hである。
図1 右下は,鉛筆硬度が9Hのハードコート・フィルム。右上がAR機能付きハードコート・フィルムで,鉛筆硬度は5Hである。
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図2 展示パネル
図2 展示パネル
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図3 左にあるのが,指紋が付きにくいハードコート・フィルム
図3 左にあるのが,指紋が付きにくいハードコート・フィルム
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 グンゼは,鉛筆硬度が最大9H(9Hの鉛筆でも傷が付かないこと)と硬いハードコート・フィルムを開発,「nano tech2010 国際ナノテクノロジー 総合展・技術会議(2010年2月17~19日,東京ビッグサイトで開催)」に出展した(図1,2)。現在サンプル出荷中。なお,全光線透過率は91%である。

 同社はこのほか,開発中の反射防止(AR:anti reflection)機能を備えたハードコート・フィルムや,量産中の指紋が付きにくいハードコート・フィルムも展示した(図3)。AR機能付きハードコート・フィルムは,鉛筆硬度が5Hで,光の反射率は1%を下回る。AR層とハードコート・フィルムの界面の密着性を高めることで開発に成功したとする。なお,AR機能を持たない鉛筆硬度が9Hの場合の反射率は5%ほどである。一方,指紋が付きにくいハードコート・フィルムでは,フィルムに付いた指紋の油が面内に広がりやすくすることで,付着した指紋を目立たなくし,かつふき取りやすくしているという。