太陽電池の出力最大化技術,三菱電機が新方式を開発
三菱電機は,太陽光発電向けパワー・コンディショナの最大出力点追従(MPPT:maximum power point tracking)技術の新方式を開発した。2010年2月16日の「研究開発成果披露会」で発表した。この技術によって,従来のMPPTより2倍以上の電力出力を引き出せる場合も出てくるという。
太陽電池には,日射強度と出力電圧
今回,三菱電機は,I-V特性を直接測定することでMPPTを実現する技術を開発した。具体的には,パワー・コンディショナへの電力入力回路部に導入したキャパシタを一度放電した後,充電する。その充電時の電圧と電流の変化を測定することでおよそのI-V特性が分かるという。「充放電にかかる時間は50msぐらい。10〜数十分に1度の間隔であれば,太陽電池の出力にほとんど影響がない」(同社)。
太陽電池の一部が日陰になった時に威力
三菱電機の新しいMPPTは,太陽電池モジュールを何枚か直列または並列に接続したシステムで,一部のモジュールに日陰が差すなどした場合に威力を発揮する。
これまでのMPPTは,出力電圧
ところが,太陽電池モジュールの一部に日陰が差すと,システム全体のI-V特性は複雑な曲線になる。IV-V特性では,複数のピークを持つ「八ヶ岳」のような曲線になる。しかも,太陽や日陰の移動,さらには雪などモジュール上の障害物の増減によって,曲線の形は常に変化し,MPPとなるピークが急に別のピークに移ることもある。従来のMPPTでは,一度一つのピークを選んでしまうと,そのピークを追いかけ続け,本当のMPPが別のピークに移った場合も修正が難しい。そのままでは,本来の出力の1/2も出せないままになることもあり得た。
一方,新しいMPPTでは,IV-V特性を短時間に実測してMPPを決めるため,その都度正しいMPPを選ぶことができる。三菱電機は,「出力を常に最大に保てるだけでなく,太陽電池パネルの故障や,パネル表面の汚れの程度なども知ることが出来るようになる」(同社)とそのメリットを説明する。
三菱電機は,この技術を2010年10月に北米市場で出荷する産業用100kW級のパワー・コンディショナ製品に実装する予定である。そして,その後,日本国内の産業用途や家庭用パワー・コンディショナにも展開するという。












