図1 次・オフィス ライティングシステムの概観
図1 次・オフィス ライティングシステムの概観
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 岡村製作所は,LED照明を使ったオフィス向け照明システムを2010年2月から販売を開始する(発表資料)。「次・オフィス ライティングシステム(THE Office Lighting System)」と名付けた今回の製品は,人間の体内時計による約1日周期のリズムに合わせて照度や色温度を変化させる機能を備えたことが特徴。季節に応じて調光プログラムを変更している。調光は無線で制御する。次・オフィス ライティングシステムは照明デザイナーの石井幹子氏のコンセプトを基に,岡村製作所とローム,石井幹子デザイン事務所が共同開発したもの。共同開発については2009年7月に発表していた(Tech-On!関連記事1)。今回の照明システムはオフィス家具へ直接照明を組み込むタイプであり,上方を照らすアッパーライトや下方を照らすダウンライト,手元を照らすタスクライトなどで構成する。初年度の販売目標は3億円。

 調光プログラムは,あらかじめ年間(365日)を1日ごとにプリセットしておく。時間や季節に合わせて,照度を400~800lxの範囲の5段階,色温度を3000~5000Kの範囲の5段階で変化させるというもの。こうすることで,朝に目覚め,日中に活動し,夜に眠るという自然環境に適合した人間の1日の周期に合うように調光できるようになるという。人間にとって過ごしやすい光環境を得られるので,人間は効率的に仕事をこなせるようになるとする。

 発売に先立ち,岡村製作所は同社の事業所「オフィスラボ」に今回のシステムを設置して,消費電力と二酸化炭素排出量の削減効果を検証してきた(Tech-On!関連記事2)。同社によれば,従来の照明と比較して消費電力を約61%削減できたという。オフィスラボは面積が710m2で約60名が働いている。

図2 照度や色温度の変化
図2 照度や色温度の変化
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