【ISSCC】PC並みの高性能と長時間電池駆動を両立する携帯機器向け技術が目白押し
とどまるところを知らない高速・高性能化と低消費電力化の両立。LSI技術の国際会議「ISSCC 2010」のSession 18「Power Efficient Media Processing」のハイライトは,これを実現するための高エネルギー効率化技術である。今回の発表では,マルチコア,並列処理,動的再合成(リコンフィギャラブル)などをキーワードに,高速・高性能でありながら低消費電力化を可能にする多様な設計技術が提案された。回路レベルからシステム・レベルまでを協調させる高性能化技術や多様化技術の開発が今後はより一層加速されていく方向が明確に示されたといえる。
注目論文としては,H.264のフルHDエンジンを搭載し,14個のモバイル・アプリケーション・プロセサ・コアを持つマルチメディア・チップを東芝が発表した(講演番号18.1)。40nmプロセス技術を使い,スタック型の512ビットDRAM入出力を持つ。また米Intel Corp.は,低電力モバイル・マイクロプロセサ向けに,高密度なリコンフィギャラブル・アレイの信号処理アクセラレータ技術を提案した(講演番号18.2)。
台湾National Taiwan University(NTU)は,スーパーHDと3次元(3D)に対応したビデオ・デコーダ機能を搭載したSoC(system on a chip)を発表した(講演番号18.3)。4096×2160の解像度とマルチビュー・ビデオ機能を59mWの低消費電力で実現している。本技術によりスーパーHDと3D機能を搭載したテレビが可能となる。ルネサス テクノロジと広島大学は共同で,リアルタイム・イメージ・プロセシングに適したスケーラブルな第2世代の超並列SIMD(single instruction multiple data)プロセサ(MX2)を発表した(講演番号18.5)。2048コアを搭載したチップで,オブジェクト・トラッキングとキャプチャ・モーション・ピクチャを超低電力で実現している。
今回発表された技術により,モバイル・インターネット端末やマルチメディア機器の長時間電池駆動が可能となる。アプリケーションについては,今回の発表にあったような次世代のマルチメディア機器や通信機器だけではなく,今後は次世代携帯電話機に加えて車載用マルチメディア・ネットワーク機器,ホーム・ネットワーク機器が大きく成長すると予想される。さらに,センサー・ネットワークやバイオメディカルなどの新規アプリケーションに展開され,エネルギー技術との融合によってグリーンITに大きな影響を与えていく技術になることは間違いない。














