【ISSCC】微細化すると精度が高まる温度センサ,オランダTU DelftとNational Semiconductor社が開発
オランダDelft University of Technology(TU Delft)教授のKofi Makinwa氏らの研究グループは,2010年2月8日から開催されている半導体関連の国際会議「ISSCC」において,トリミングなしで±0.2℃の精度を確保できる温度センサを開発した(講演番号17.4,温度範囲は-55℃〜125℃)。半導体型温度センサの大手メーカーである米National Semiconductor社と共同開発し,0.18μmのCMOS技術で製造した。
TU Delftは温度センサの研究を数多く手掛けており,温度センサとして一般的なバンドギャップ型も手掛けているが,今回の温度センサはSi基板中の熱拡散率(thermal-diffusivity)を利用するタイプである。TU Delftは2008年のISSCCにおいて同原理の温度センサを発表したが,当時は精度が±0.5℃だった(日経エレクトロニクス関連記事)。今回は微細化や回路の工夫により精度を高めた。
一般に半導体型の温度センサは,トランジスタのベース・エミッタ間電圧が温度に依存することを利用するが,今回のセンサは計測原理が異なる。具体的には,ETF(electrothermal filter)というフィルターを用いる。ETFはヒーターと熱電対列から成り,ヒーターをパルス駆動した際,それが一定距離だけ離れた熱電対列でどのくらい遅れるか,すなわち位相差を計測する。CMOS技術のバルクSiの基板中では,この位相差は温度にほぼ線形に比例するため,温度センサとして動作する。
なお,今回の温度センサの基盤となっているETFは,TU Delftが前日のISSCCで発表したCMOS基準発振器でも使われている(Tech-On!関連記事,講演番号4.1)。












