トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏(左)と,同社代表取締役副社長の佐々木眞一氏
トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏(左)と,同社代表取締役副社長の佐々木眞一氏
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 トヨタ自動車が2010年2月5日に開いた,一連の品質問題に関する記者会見の内容を報告する〔報告記事の(),()〕。既に「プリウス」のリコールは同月9日に発表されたが(Tech-On!の関連記事),この会見はリコールの発表前に行われたもの。当時の質疑応答の内容を前半部分を掲載する。欧米のメディアから英語での説明を求められる場面があった。

 会見に臨んだのは,同社代表取締役社長の豊田章男氏と,同社代表取締役副社長の佐々木眞一氏。今回の件は,発言のニュアンスも非常に重要な要素と考えられることから,質問や回答は口語をほぼそのまま書き起こした。

(産経新聞)2点お願いします。今回の最新の問題はプリウスなのですけれど,トヨタが誇る環境戦略車であるプリウスで起きた問題についてですね,社長としてどのようにお考えになっているのか,お聞かせください。

 あともう1点はですね,このプリウスについてですね,米国の方でですね,当局が調査に乗り出したという報道があります。米国内で高まるトヨタへの批判に対して,今後どのように答えていくのでしょうか。

豊田氏の回答

 プリウスに限らず,私どもの全商品に関しまして品質でお客様に不安を与えるということは,非常に,製造業のトップとして非常に残念でございます。今後,こういうことを,一日も,この信頼を回復するために,販売店,そして仕入れ先,そして海外事業体も含めた従業員一丸となって,一日も早く信頼を取り戻したいというふうに思っています。

 フロアマット,そしてアクセルペダルの件に関しましては,もう既に米国で,本当に現場では一生懸命,順次やってもらっておりますので,日を追うごとにお客様の信頼というものは戻ってくるだろうと思っています。

 また,米国当局からいろいろとご指導いただいていることに関してましては,会社として真摯に全面的に協力をしていきたいというふうに思いますし,あえて私がそこに付け加えるのであれば,より,今までもそうであった以上に,より顧客目線というものを重要視し,お客様第一を第一プライオリティー,かつ安全・安心に受け取っていただけるような対応をするよう,今後もやっていきたいと思っています。

(米ABC News)Mr.Toyoda, if you don't mind, please respond in English for American audience.

(通訳)豊田社長にお願いしたいのは,英語で返事をしていただけると大変我々は助かります。

豊田氏の回答

I'll try.

(ABC News)Has Toyota, executives in Japan withheld safety information from U.S. regulators over the years?

(通訳)トヨタさんで,特に役員の方ですね,米国当局からの安全に関する情報についてご存じでいながら,長いことそれを放っておかれたという事実はあるのでしょうか。(補足:本当は逆のこと,すなわちトヨタ自動車が米国当局に情報を隠していなかったのかどうかを聞いている)

豊田氏の回答

Maybe a little bit complicated, so let me, let me speak in Japanese.

(通訳)済みません。日本語でやらせていただきます。

 会社としては,真摯に全面的に協力をしていく態度で参りますし,お客様にとって安全,安心・安全と受け取っていただけるような対応をするよう,全力を努めて参ります。(次ページへ