今回の成果の位置づけ
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回路の概略図
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 日立製作所は,12.5Gビット/秒での双方向通信時の消費電力が12.3mWと小さいSerDes回路を試作した(発表資料)。1Gビット/秒当たりの消費電力に換算すると0.98mWとなり,1mWを下回る。2010年6月に向けて「IEEE802.3ba」で標準化が進められている,100Gビット/秒のEthernetでの消費電力削減に向けた基盤技術と位置付ける。12.5Gビット/秒での伝送時のビット誤り率は10-12と100Gビット/秒のEthernetの仕様を満たすという。

 今回,主に2つの回路技術の導入によって消費電力を大幅に削減した。定常電流を削減する回路技術と,従来のSerDes回路で必要だった2系統のクロックを1系統に削減する回路技術である。前者は出力信号レベルを維持する場合には電圧モードで,遷移させる場合には電流モードで駆動させるもの。これにより,従来の電流モード出力よりも消費電力削減が可能になったという。なお,SerDes回路は65nm世代のCMOSプロセスで試作した。

 実現技術の詳細については,2010年2月8日から米国サンフランシスコ開催中の半導体関連の国際会議「ISSCC 2010」で,2月10日(現地時間)に発表する予定である。なお,今回の成果の一部は,総務省が進める「フォトニックネットワーク技術に関する研究開発」の一環として,独立行政法人情報通信研究機構(NICT)から受託している委託研究「ユニバーサルリンク技術の研究開発」によって得られたものとする。