【EDSF 2010】AccelleraのBrophy氏,SPIRITとの統合の意味を語る
EDS Fairで恒例となった,EDA標準化団体の米AccelleraのVice-Chairを務めるDennis Brophy氏とのインタビュー。今回のEDSF 2010では,同じくEDA標準化団体の米The SPIRIT Consortium, Inc.でSecretaryを務めるStan Krolikoski氏も同席した。両団体は2009年6月に合併を発表している(Tech-On!関連記事1)。
両氏によれば,合併は自然の流れだという。Accelleraが扱うハードウェア記述言語(HDL)によって,チップ上の回路ブロック(IPコアとも呼ぶ)が設計される。設計したIPコアを接続してチップに仕上げるためには,SPIRITの規格「IP-XACT」を利用するからだとする。IP-XACTは,IPコアのメタ・データを規定している。このメタ・データは,EDAツールがそのIPコアをアクセスするための情報である。
合併の作業は最終段階に入っており,カリフォルニア州の承認が下りれば完了する。2010年2月中にはその承認は下りる見込みだという。なお合併後には,Accelleraの名称が残る。
4件のIEEE標準化に成功
Brophy氏によれば,2009年はAccellera創設以来,最も多いIEEE標準を生み出した年だったという。3月にはパワー・フォーマットのUPF(Unified Power Format)がIEEE std.1801(Tech-On!関連記事2)に,6月には,オンチップのスキャン・データ圧縮機構に関する規格OCI(Open Compression Interface)がIEEE std.1450.1(当時のニュース・リリース1)に,12月にはSystemVerilogの改訂版がIEEE std.1800-2009に,同じくIP-XACTがIEEE std.1685に(ニュース・リリース2)それぞれ承認された。これで,Accellera創設以来,IEEE標準化に成功した規格数は,累積11になった。
2010年には,論理エミュレータ関連規格のITC(Interface Technical Committee)やアサーションのチェッカ・ライブラリのOVL(Open Verification Library),カバレッジ規格のUCIS(Unified Coverage Interoperability Specification)などの新バージョンなどが出る予定である。
二つの検証言語の行方
さらに今回,Brophy氏はEDA業界に存在する二つの検証言語VMM(Verification Methodology Manual)とOVM(Open Verification Methodology)の行方について語った。Accelleraはそれぞれの言語で書いたテストベンチを,他方の言語に対応した論理機能シミュレータで使うためのガイドブックを2009年10月に発表している(Tech-On!関連記事3)。 しかし,これが最終的な解でないことはBrophy氏も認めている。
同氏によれば,OVMをベースにした新たな検証言語UVM(Universal Verification Methodology)の策定をしているようだ。その最初の成果は2010年の第2四半期には出てくるとする。ただし,具体的な形が見えてくるのは2010年内といった感じがする。
Brophy氏もKrolikoski氏も,AccelleraとSPIRIT以外の標準化活動に携わっている。例えばKrolikoski氏はSystemCのOSCIでの活動がよく知られている。そこで,Krolikoski氏にAccellera-SPIRITチームにOSCIが加わる予定がないかを聞いてきた。「今のところ,そういった動きはない」(同氏)。なお同氏によれば,標準化機関の合併では,標準仕様の公開方法が異なることが課題になる場合があるという。例えば,「OSCIは完全オープンだが,SPRITはメンバーにならないと仕様は入手できない」(同氏)。













