【EDSF 2010】アナログ設計向けPDKを複数のEDAベンダーのツールで共用する,IPL Allianceに聞く
IPL(Interoperable PDK Libraries) Allianceは,2007年4月にEDAベンダー4社(米AWR Corp.,米Ciranova, Inc.,台湾SpringSoft, Inc.,米Synopsys, Inc.)が設立した標準化団体である。アナログ設計に必要なPDK(process design kit)を異なるEDAベンダーのツール間で相互利用しやすくすることを狙う。
そのIPL Allianceが,1月28日と29日にパシフィコ横浜で開催した「EDSFair 2010」にブースを構えた。そこで,設立メンバーの1社のSynopsysのJingwen Yuan氏(Strategic Alliance Manager)に話しを聞いた。
設立時に4社だったメンバー企業は20社以上に増えた。EDAベンダー,半導体メーカー,シリコン・ファウンドリならばIPL Allianceに参画可能で,会費は無料である。メンバーになるとミーティングへの参加や相互利用性への寄与が求められ,ドキュメントとリファレンス・キットへのアクセスが可能になる。
2008年5月に台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)が同Allianceのメンバーになり(当時のニュース・リリース),インタオペラブルなPDKの標準化活動の勢いを加速した。かつてTSMCはPDKとテクノロジー・ファイルの開発やメンテナンスに忙殺されていた。例えば,2007年だけでも2500件あった。現在TSMCは,Allianceのメンバーと65nmプロセス用のインタオペラブルなPDKを開発中である。
PDKの標準化は,複数ベンダーのEDAツールで構成したアナログ設計フローのボトルネックを解消する。また,PDK開発コストの削減と開発期間の短縮という効果もあり,新しい先端プロセス技術の早期アクセスが可能になる。
現在,米Cadence Design Systems, Inc.は,IPL Allianceのメンバーではないが,メンバー各社がVirtuoso IC6.1でライブラリのテストを行っている。IPL AllianceのインタオペラブルなPDKは,最新のOpenAcess仕様書に基づいており,TclやPythonのような標準言語を使う。Python(PyCell)で書かれたPcell(パラメータ化されたレイアウト・セル)は,SKILLのPcellに比べて記述量が少なく,性能が向上しているという。
設計自動化が進んでいるデジタル設計に比べて,アナログ設計は自動化が進んでいない。このような状況の中,IPL AllianceのインタオペラブルなPDKは,設計再利用と設計生産性を向上させ,アナログ設計のイノベーションの推進に寄与するだろう。













